Sol Cafe 『幸せの栖(すみか)』

「ここいまタウン」への歩み

【学びの散歩道】子どもたちの将来は大丈夫なのだろうか?(77) 大人ファーストの世の中②

大人ファースト社会とは、どういうことなのでしょう。

『ルポ スマホ育児が子どもを壊す』(石井光太著 新潮社)

に書かれていることを、引用ではなく、私なりに抜き出してみます。

 

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今社会全体が、子どもたちが自由に振舞うことを厳しく禁じている時代。

  • 子どもの声は騒音になってしまった。
  • 子どもが自由にしていると親が責められる。「なんでおとなしくさせない」「なんでちゃんと管理しない」と言われる。
  • ベランダのこいのぼりは禁止というマンションもあるという。なんと、はためく音が迷惑だというのだ。

だから、今の保護者はとても周りにとても気を遣っている。

(中略)

外で子どもを自由にさせると、子どもだけでなく、

それを許している親まで批判される。

子どもの自分勝手を放置しているとみなされてしまう。

それでそそくさと、子どもを家に連れて帰るのですが、家は狭いし、

一人っ子や二人きょうだいが多いので、結局はゲームをやらせるだけとか、

スマホで動画を見せるだけとなりがちとなる。

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スマホ育児の裏には、そういう事情があったわけです。

 

スマホって、やらされ感満載です。

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ゲームは大企業が膨大な投資をして、仕様を決めたエンタテーメントであり、

一見能動的なように見えて、

実は大人の目論見通りのことをやっているにすぎない。

しかも、それをしている間は、脳内に大量ドーパミンが放出されて、

リアルでは味わえないような興奮状態になる。

そうした体験を毎日何時間もしていれば、感覚麻痺に陥って、

小さな刺激では物足りなくなるものも無理はない。

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家でスマホやゲームばかりしていると、困ったことになります。

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最近の子どもたちは、物を嚙んで飲み込む力がとても弱い。

4歳児が皮をむいたぶどうを飲み込んで死亡するとか、

同じく4歳児が節分の豆を喉に詰まれせて死亡するといった

誤嚥死亡事故が相次いでいる。

それだけ、保育園や幼稚園では、

咀嚼力や嚥下力の低下が深刻な問題になっている。

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ちゃんと歩けない子がいて、転んで頭を打ってしまうから、

保育園等でヘッドガードをしているという。

それは、ハイハイをしていないから、体幹が弱いから。

ハイハイをするには、子どもが自由に動き回れるだけの空間が必要。

親がつきっきりで安全確保することが必要。

それが難しいと、親は子どもの安全を考えて、

家でも外でもベルト付きのベビーチェアに座らせる。

これなら怪我をすることもないし、スマホを見せていれば静かになるので、

時間の余裕も生まれて楽だと考える。

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正直、そんなことがあるのだろうかと、私個人的にはにわかに信じられません。

私が、毎日接している小学校の放課後子ども教室にやってくる子たち、

矢川プラスにやってくる子たち、そして、私の孫娘からは想像できません。

 

一方、東北大学東北メディカル・メガバンク機構の栗山進一教授らの論文

で、「1歳児のスクリーンタイム」の調査データがあり、

これまた、信じがたい数字が載っています。

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1時間未満 48.5%

1~2時間 29.5%

2~4時間 17.9%

4時間以上 4.1%

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これが1歳児のスクリーンタイムというわけです。

昭和の人間からすると、いかに世の中が育児に冷たいと言っても、

こんな状況でよいのか!

そう思えて仕方がありません。

 

最近、父親の育児休暇がもてはやされていますが、

そこには、ちょっとした落とし穴があるようです。

それは、子どもにスマホを長時間見せるのは、

母親よりも父親が多いということのようなのです。

どうしてよいのかわからないので、

とりあえずスマホを見せていれば、大人しくしてくれるから、なのでしょう。

 

いろんなことが絡み合っていますね。

ただ、ここに書かれていることは、実際にそんなことがあるのか?

私には、信じられません。

なぜなら、子どもの声が騒音だという大人にまだ会ったことがないからです。

 

つづく。

 

写真に意味はありませんが、

リンクしてシェアしたときに、写真があった方が見栄えがいいので、

手元にあった写真を適当に貼っています。