『子どもの脳の育て方』(黒川伊保子著 講談社+α新書)より
動画やゲームは読書の代替にはならない。
読書のほうが、よりリアルに「自分ごと」として脳に刻印されているので、
学習効果があるからだ。
読書には主人公の顔がない。
つまり主人公に感情移入しやすいのである。
映画の「ハリー・ポッター」を観たときは、
一人の少年の物語を傍観することになる。
役者に顔があり声があるので、
「自分でない存在」の体験を傍観することになるわけ。
ところが、本で読んだハリーのセリフは、自分の内なる声で「聴く」ことになる。
ハリー鏡をのぞけば、自分も一緒にのぞいたような気分になって、
その鏡に映っている家族に自分の家族をあてはめたりする。
そんな風に自分の経験知を織り込んで、ハリーの世界を創造することになるのだ。
このため、主人公と自分の境界線があやふやになり、
主人公の体験が、自分のことのように脳内にとどまる可能性が高い。
写真に意味はありませんが、
リンクしてシェアしたときに、写真があった方が見栄えがいいので、
散歩中に撮った写真を適当に貼っています。