味わい言葉ノート 117

『子どもの脳の育て方』(黒川伊保子著 講談社+α新書)より

 

動画やゲームは読書の代替にはならない。

読書のほうが、よりリアルに「自分ごと」として脳に刻印されているので、

学習効果があるからだ。

 

読書には主人公の顔がない。

つまり主人公に感情移入しやすいのである。

映画の「ハリー・ポッター」を観たときは、

一人の少年の物語を傍観することになる。

役者に顔があり声があるので、

「自分でない存在」の体験を傍観することになるわけ。

 

ところが、本で読んだハリーのセリフは、自分の内なる声で「聴く」ことになる。

ハリー鏡をのぞけば、自分も一緒にのぞいたような気分になって、

その鏡に映っている家族に自分の家族をあてはめたりする。

そんな風に自分の経験知を織り込んで、ハリーの世界を創造することになるのだ。

このため、主人公と自分の境界線があやふやになり、

主人公の体験が、自分のことのように脳内にとどまる可能性が高い。

 

写真に意味はありませんが、

リンクしてシェアしたときに、写真があった方が見栄えがいいので、

散歩中に撮った写真を適当に貼っています。