味わいことばノート 110 & 111 慣れることの怖さ

『あなたの「眠っていた力」が目を覚ます生き方』

(野口嘉則著 サンマーク文庫)より

 

味わい言葉ノート 110

 

『眼力』(斎藤一人著)のことば

------------------------------------------

日本で一番最初に養鶏場をはじめた人がいます。

その人は、はじめ、ニワトリをオリのなかに入れて飼育したんですけれど、

オリのなかのニワトリはどうなったと思います?

卵を産まなくなっちゃったんです。(中略)

ニワトリは、庭に放し飼いにされて、自由に好きなところを歩いて、

朝になるとコケコッコーと鳴いていました。

それをオリに入れられたものだから、

ニワトリはストレスを感じて卵を産まなくなってしまったのです。

そのとき、日本で一番最初に養鶏場をはじめた人は何をしたかというと、

ヒヨコのときからオリに入れておいたのです。

そうするとオリの中の生活が慣れっこになって、

バンバン卵を産むようになるのですね。

(中略)

本来人間というのは、同じ作業をやり続けることができません。

ふつうは、飽きてしまいます。(中略)

学校で生徒の自由を許さなかったのは、

安定して品質のいいものを大量に生産するための訓練だったのです。

ヒヨコの時期からオリに入れて飼育するように、

人間も七つぐらいで小学校に入れられて、

ずぅーっと面白くない授業を聞いて、慣らされているんですよ。

-------------------------------------

 

 

味わい言葉ノート 111

 

ある経営者の本音

-------------------------------------

息子(中学生)のテストの成績があまりにひどかったので、

私の中に焦りや不安がわいてきて、

「もっと勉強しなさい。遊んでばかりいないで、塾に行ったらどうだ」

などと言ってしまいました。

私は経営者として、個性的でクリエイティブな人材を採用したいと思っているし、

また息子にもそんな人間になってほしいと願っています。

そのためには、自由にのびのびとさせてやったほうが、

いいこともわかっています。

学校の勉強よりも、

好きなことを存分にさせてやったほうがいいに決まっています。

だけど、なぜか子どもの成績を見ると、

焦りや不安がわいてきて勉強させたくなってしまいます。

何のために勉強させたいのか、自分でもわからないのですが、

なぜだか自動的に「勉強しなさい」と言ってしまうのです。

-------------------------------------------