何も悲観しているわけではなく、私自身は将来に希望をもって、
日々生き、活動しているわけですが、
実際には、私たちは、なんとも理不尽な社会を生きていると思っています。
それを裏付ける本を何冊も読んできて、重ねてそう思います。
「デフォルトモードネットワークの喪失」も書いていますが、
これは、テクノロジーの進化と人間というのがテーマです。
こちらはタイトルそのままで、生きづらい社会、理不尽とも思える社会、
避けて通ることのできない時代を生きることに向き合っていくものです。
『希望格差社会』(山田昌弘著 ちくま文庫)という本のタイトルが、
この生きづらく理不尽な社会をよく表していると思います。
この本にはこのようなことが書かれています。
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リスク化と二極化によって社会が不安定なものになっていくという傾向は、
止めようと思ってもなかなか止められることではない。
その最大の理由は、社会が豊かになり、人々の自由度が増したからである。
人々は一度味わった豊かさや自由を捨てることはできない。
その豊かさを維持するために行う活動が、
リスク化や二極化をもたらす原因だからである。
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2007年に出版された本ですが、十数年経った今、
流れを止められないからこそ、その傾向はさらに高まっていると思われます。
ドリームマップを小中学校で行っている私としては、
「だからこそやっているんだ」ということも書かれています。
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実は、現在起きている状況の中で、最も深刻なのが「希望の喪失」なのである。
皮肉にも高度成長を経て、ある程度の裕福な生活が達成されたいま、
人々が幸福に生きる上で必要なのは、経済的な要件よりも心理的な要件である。
人間は希望で生きるからだ。
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自分の好きを知り、それを深めると、夢につながっていきます。
夢ができると、将来への希望が広がります。
しかし、「夢を描き、信じて、伝えると夢はかないます」と
子どもたちに伝えている私にとっては、悲しいことも書かれていました。
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現状は持ちこたえられても、将来を見据えると状況は明るくない。
このままだと、昇進のない単純労働に従事し、仕事能力がつかないまま、
いつか夢は実現すると夢想して、年齢だけを重ねる元若者が大量に出現する。
夢に向かって努力すれば、その夢は必ず実現するというのは「ウソ」である。
すべての人が希望通りの職に就けることはあり得ない。
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夢は、希望通りの職業に就くことだけではありません。
しかし、夢に向かっていく意欲や行動力は、
今現在の生活に、それなりの充足感なくしては、
将来への希望も生まれてこないのも事実です。
書き留めたメモをどう扱ってよいのかわらないなかで、
とりあえず吐き出してみれば、何かが見えてくるだろうと思い、
あてもなく書き始めました。
これから、どう展開していくのか、今現在では読めていませんし、
生きやすい社会への処方箋が見つかるとも思えませんが、
ぼちぼち書いていきたいと思っています。
写真に意味はありませんが、
リンクしてシェアしたときに、写真があった方が見栄えがいいので、
散歩中に撮った写真を適当に貼っています。