【学びの時間】しわ寄せる社会とその時代を経て③ 若者が置かれた状況

引き続き『日本の少子化対策はなぜ失敗したのか?』

(山田昌弘著 光文社新書)から学びます。

 

②で書いた日本の特徴について、ひとつずつ考えてみます。

まずは、これについて。

  • 結婚前の若者は、親と同居している人が多い。

 

大卒、大都市在住、大企業勤務でない人たちが大半であるということ。

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地方では、一人暮らしの未婚者はとても少ない。

結婚後の生活を考えると、非正規雇用者の男性を結婚相手に選ぶ女性は少ない。

地方では、そもそも独身者の絶対数が少ないうえに、出会う機会が乏しい。

勿論、一人暮らしで、周りに独身の威勢が多い環境に置かれている

「大卒、大都市在住、大企業勤務」の未婚者は存在する。

しかし、日本の若者全体からみれば、絶対的少数なのだ。

「大卒でなかったり、地方在住だったり、中小企業勤務や非正規雇用者

(プラス自営業の跡継ぎや家族従業者も加えてもよい)」

の置かれた状況や態度、意識などを中心に考えないと、

少子化対策どころか、日本の少子化の実態を理解することさえもできない。

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そんな若者の置かれた状況は厳しい。

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日本では将来を見据えた中流生活の保障がなければ、

「男女交際」さえも始めない若者がいる。

若者の「将来にわたって中流生活から転落する不安」を

払しょくすることができなければ、

日本における少子化対策はなかなか効果が上がらない。

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現代日本の少子化対策の根本原因は、

経済格差が拡大しているにもかかわらず、大多数の日本の若者は、

中流意識を持ち続け、

「世間並みの生活」をし続けたいと思っていることにある。

若者の将来にわたる経済状況、もしくは、中流生活を期待する意識、

そのどちらかを大きく変える政策をとらなければ、少子化は解消されない。

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うちの息子は、この溝に大きくはまり込んでしまっている。

大都市在住ではあるものの、親と同居し、出会いの機会がない。

障害者対象の就職支援の施設に通いながら、就職活動をしている。

就職すれば、先は見えてくるのかもしれないが、そう簡単ではない。

いくつもうまくいかなかった中で、やっと数日前に内定が出た、

しかし、企業としては申し分ないが、嘱託でほとんど最低賃金レベル、

まったく勝利が見通せないので、保留にしている。

 

これは、自己責任、自助でなんとかしなければいけないと言われれは、

言っていく先はないが、過去築き上げられてきた、

弱者に厳しい社会制度を見直して行かないと、

多くの若者たちの将来は見通せない、

すなわち、少子化は改善するどころか、悪化してしまうのです。

 

私は、子育てや高齢者を含めて支え合うコミュニティが必要だと思っています。

こんな社会だからこそ、私は、

「ここいまタウン」の夢を持ち続けていきたいのです。

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