『100年足腰』(巽一郎著 サンマーク出版)には、
高齢になっても、ひざの手術を受けずに、
痛みがなく歩けるようになった人がたくさんいる、
ということが書かれています。
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この本が伝えたいことは単純です。
僕は、本当のことは、なんでもシンプルだと思っています。
ひざが元通りに戻るためには、悪くなった原因を治すこと。
今世のうちにできそうもなければ、さっさと手術を受ければいいでしょう。
原因に取り組むことが今世の課題であれば、
本気になって取り組めば乗りこえられます。
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要は、自分で治す気があるかということ。
体重を減らすだけで、かなりの改善が見られます。
そして、痛みの原因となっているもの、すなわち、
ゆがみを矯正するためのシンプルな体操を続けることなんだそうです。
幸いにも、私の足腰はまだ大丈夫ですが、
この本の存在は覚えておこうと思います。
この本には、痛み止めのことが書かれていました。
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痛み止めの歴史は古く、昔は葉の裏が白い柳の木を煎じて飲んでいました。
これは消炎鎮痛作用があり、穏やかに痛みを取り去り、
副作用が少なかったのです。
1826年に、その柳の抽出成分の中で、
アスピリンという物質が効いていることがわかり、
それを石油から合成しました。
有効成分を人間がつくり出して、それを薬にしたのです。
煎じるという手間はいらなくなり、
安価に大量に生産できるようになりましたが、
胃を荒らすという副作用が始まりました。
自然の煎じ薬には、副作用を抑える余計な成分が含まれていたのですが、
有効成分だけを石油から作ると、効き目はシャープになり、
副作用が強くなったのです。
同様に多くの薬が、自然界の薬から始まって、
その有効成分を化学合成するという方法で生まれてきました。
痛み止めがありがたい場面はありますが、本来、痛みとは、
「救急隊が修繕を始める炎症の最初のサイン」。
自然治癒を促すために「一時休止せよ」という大事な役割であったわけです。
どんな炎症も、本当は自分のからだと会話し、少し休めば治るのです。
競争社会に生きる現代人は、休むことは悪と考えがちで、
自然に治癒させることをむずかしくしています。
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そして、風邪についての解説がありました。
まとめるとこうなります。
- 風邪の原因はウイルス。
- 寒いと空気中の水蒸気が少なく乾燥しているために、ウイルスが空気中に舞い上がりやすくなる。
- 鼻から吸い込む。
- 鼻の粘膜につくと、青白いサラサラした鼻水を出して、ウイルスを外に排出。
- ウイルスが強いと、肺に侵入。
- 排水を出して外へ出そうとする。それが咳。
- 免疫が動き出して、抗体や白血球がウイルスと闘う。(風邪をひき始めて3日くらい)
- ウイルスは血液が少ないところに逃げる(関節や神経)。
- だるくて節々が痛くなる。
- ウイルスを排出しようとからだは熱を出す。
- 熱が上がると、からだじゅうの日ねの温度が2-4度高くなる。
- 骨髄の温度が上がると骨髄球が増殖。
- マイクロファージや好中球が増えて、ウイルスをやっつける。
- 鼻水がドロドロの黄色に変わり、汗とおしっこで、やっつけたウイルスを排出する。
だから、薬を早めに飲むと、症状が楽になったことと引き換えに、
原因のウイルスは反対に元気になるのです。
風邪は万病の元であり、その原因のウイルスはこういうものです。
- ウイルス = たんぱく質の殻とDNAだけで、細胞を持たない。
- 人などの生物に寄生して活動し、追い出すのはむずかしい。
- ウイルスの殻と細胞膜が融合し、ウイルスは自分の遺伝子を人の細胞に送り込む。
- 細胞は、遺伝情報を読み取り、たんぱく質に変換させる場所(リボソーム)にウイルスの遺伝子を持って行き、その遺伝情報(設計図)どおりのものを作る。
著者の伝えたいことは、これだと思います。
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薬や医者、病院に頼り過ぎず、自分のからだの声に耳を傾けて、
自分の力で不調や痛みをとり、健康になりましょう。
ひざに感謝して「これからもよろしく」とねぎらってあげましょう。
そんな「感謝の心」こそ、
いつまでも自分の足で歩くための「根っこ」になってくれるのです。
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薬に対して偏見を持っている私ですから、
最後のフレーズはその通りだと思って生きています。
薬は異物、石油からできた化合物の王様 - Sol Cafe 『幸せの栖(すみか)』 (hatenablog.com)