しわを寄せない社会の仕組み

先日書いた「しわ寄せで成り立つ社会システム」の続きです。

もっと正確に言えば、

「しわ寄せで成り立つ日本の社会システム」

とすべきでしょう。

 

日本以外では、かなり前から、しわの寄らない社会の仕組みがありました。

先日、台風11号後の熱帯低気圧によって起こった

香港の被害のニュースを観ました。

香港と聞いて、思い出したことがあります。

私は、もう40年も前、1983-87の間、香港に駐在していました。

 

香港にも、たまに台風がやってきます。

当時、香港にはクリアな仕組みがありました。

台風の接近状況によって、シグナルが発令されます。

ネットで調べてみると、わかりやすいものがありました。

【シグナル8は祭り】香港で台風発生、その時何が起きるのか | startupHK スタートアップ香港

 

なぜか、シグナル3のあとは、一気にシグナル8になります。

シグナル8が発令されると、一切の交通機関は止まります。

私の記憶では、タクシーにも乗れません。

 

会社で仕事をしていて、シグナル3が発令されると、

社員に帰宅が要請されます。

いや、自主的に帰っていくと言った方がいいかもしれません。

シグナル8になる可能性が予報で出されているので、

それが発令されるまでに家に帰りついている必要があるからです。

香港の典型的な風景は、そこら中で見られるビルからせり出した看板です。

シグナル8になると、それらが飛んできて大変危険なので、

外出はしてはいけないのです。

タクシーを含めた交通機関が止まるので、したくてもできません。

 

暴風雨の中で、移動はできません。

移動するためには、地下鉄やバス、タクシーを動かす人が必要ですが、

その人たちもみんな人間なのです。

その人たちの命もかけがえのないものです。

 

香港なので、イギリスのシステムなのかもしれませんが、

こと台風に関しては、ある一定以上のレブルに達したら働かなくてよい

という社会システムが、もう長く存在しています。

シグナル8以上の状況では、ほぼすべての会社が閉まり、

当然学校その他もクローズし、交通機関も止まるのです。

日本でも、そんな仕組みがほしいですね。

 

危ないときに無理せず、家でゆっくりしましょう。