【学びの時間】もの忘れと認知症とボケない方法

『アルツハイマー病は治せる、予防できる』(西道隆臣著 集英社新書)に、

「もの忘れ」と「認知症」の違いが書かれていました。

 

「2月3日に旧友のAと銀座で会って、天ぷら屋で食事をした」

という体験・出来事について、

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  • 「何を食べたのだっけ?」「いつだっけ?」というのは、老化でよくある「もの忘れ」で、「天ぷらだったでしょう」「2月3日だったでしょう」と言われたり、手帳を見たりすると思いだす。
  • 「Aと会って食事をした」という体験の全体、出来事がすっぽりと記憶から抜け落ちてしまったら、認知症による記憶の障害である可能性が高い。

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認知症の基本的な症状(中核症状)については、

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  • <記憶障害> 新しいことを記憶できないので、見たこと聞いたこと、行ったことを忘れる。体験全体、出来事そのものの記憶が抜け落ちる。直近(さっき)の記憶が抜け落ちる。
  • <見当識障害> いつ(時間)、どこで(場所)、だれが(人物)などを認識し、自分の症状を把握する見当識の能力が失われて、時間→場所→人物の順にわからなくなる。
  • <失語> 言葉を使うことができない。初期には「それ」「あれ」といった代名詞が多い話し方になる。言葉を理解していても話せない。話せても内容が理解できない状態になる。
  • <失認> 視覚や聴覚などの感覚には問題ないのに、見たもの、聞いたもの、触れたものがわからない。日用品などのものが、わからない(物体失認)、顔がわからない(相貌失認)など。
  • <失行> 麻痺などの運動障害はないのに、動作や行為ができない。衣服を身につける動作ができない、字が書けない、歩けない、物の使い方がわからないなど。
  • <遂行機能障害> 目的のために行動を順序だてて実行することができない。そのために仕事や家事(特に料理)でミスが起き、やがて簡単なことができなくなっていく。

これらの中核症状に付随して、認知症の「行動心理症状

(Behavioral and Psychological Symptom of Dementia = BPSD)が起こる。

  • <心理症状> 抗うつ、不安、幻覚、妄想、猜疑心、睡眠障害など
  • <行動症状> 徘徊、暴力・暴言、拒絶、食行動異常、性的行動、常同行動(同じことを繰り返す)、不潔行動など

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以上がこの本から私が学んだことです。

 

この本は、かなり技術的で専門的です。

専門用語がたくさん出てくるので、よくわからず、

興味もわかないので、多くを読み飛ばしました。

たとえば、比較的わかりやすい部分でもこんな感じです。

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この遺伝子治療は、ウイルスベクターを血液などに投与すればよいので、

注射で行うことができます。

ネブリライシン遺伝子は、脳では広範囲に生き渡り、

ネブリライシンを活性化させて、アルツハイマー病の原因である

アミロイドβや毒性の高いアミロイドβオリゴマーを減少させます。

ウイルスベクターは安全で、

また脳内でネブリライシンの量をコントロールすることがわかっています。

また、脳以外の臓器には影響はしません。

この方法は、ネブリライシン遺伝子の働きは長く続き、

1回の注射で10年以上の効果が期待できるので、予防法としても優れています。

重要なのは、この治療では、

アルツハイマー病発症後の認知機能低下も改善できることです。

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著者は、世界初、上記のようなアルツハイマー病治療の可能性の高い、

ある物質の特性を発見し、ものすごく高い志で、

画期的で有望な治療薬の実用化のための研究を、日々積み重ねています。

それはそれで素晴らしくステキなことですが、

私自身の興味は、そんな専門的で難しいことより、

「どうしたら認知症にならないでいられるか」ということにあったので、

この本は、その期待に沿ったものではありませんでした。

 

また、この本も相前後して読みました。

和田秀樹さんの著書は『80歳の壁』など、2-3冊読んでいます

いつも、そうなんだよねと、自分のいまの在り方でいいんだなと感じ、

特に、これはという発見がないので、ブログには書いてきませんでした。

 

今回『60歳から脳を整える』(和田秀樹著 リベラル文庫)を読んでみても、

感じ方はほぼ同じです。

こんな内容のことが書かれていました。

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認知症というより、老人性のボケにならないためには、

とにかく、行動することです。

行動するためには人づきあいが必要になります。

そして、入力より出力が大事なんです。

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和田先生は、認知症にならないようにというよりは、

「ボケないようにしよう」と言われています。

特にしたいこともなく、ただ漫然とテレビを見たりして日々を過ごしていると、

認知症になる前に、頭が働かなくなります。

そのためには、何かをすること、行動することが大事なんです。

 

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元気な脳、活力のある脳というのは、じつは「忘れる脳」でもあるようです。

不要な情報はどんどん捨てます。

そうしないと新しい情報を取り込むことができません。

イヤなこともどんどん忘れます。

そうしないと、いつまで経っても晴れません。

嫌いな人間のこともさっさと忘れてしまいます。

そうしないと、新しい人間関係が始まりません。

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忘れなさいと言われても、意識して忘れようとすれば逆効果な気がします。

要は、頭がそんな方向に向かないようにすればいいのだと思います。

すなわち、いろんなことに興味をもって行動する事が大事。

「今日用事がある、今日行くところがある」

結局こういうことですね。

 

話は変わりますが、認知症の田舎の母は、

3月2日に、リハビリの施設から、2018年からお世話になっている

グループホームに戻ることができました。

とりあえず安堵しました。

【モノローグ】淡々と過ぎる日々 - Sol Cafe 『幸せの栖(すみか)』 (hatenablog.com)

歩いて移動はできないので、車いすで生活することになりますが、

トイレで立ったりできるので、まだグループホームにいることができます。

ずっと、このままいってほしいなと思います。