【学びの時間】伝えられていないことを知る たとえば、「ワクチンの有効性95%」とは

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新型コロナのブレークスルー感染は、かなり多いと感じられます。

東京で、ワクチン2回接種の4人が死亡というニュースが8日にありました。

ワクチンの有効率は95%と言われていたのに......?

 

『こわいほどよくわかる新型コロナワクチンのひみつ』

(近藤誠著 ビジネス社)は、私の尊敬する近藤誠先生の著作です。

 

一般的に知ら(さ)れていないファクト(信頼できるデータ)に基づいて、

分析・論理展開をされたうえでの歯に衣着せぬ主張が快いです。

この本も同様で、新型コロナやワクチンのことがよくわかります。

 

たとえば、「ワクチンの有効性95%」と言われますが、それは何でしょう?

 

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ファイザー・ワクチンの第三相試験は、

2020年7月開始、11月終了(接種後長くて4か月 平均で2か月)の

短期間で実施されています。

被験者43,448人の半数にワクチン、半数にプラセボ(生理食塩水)を

2回ずつ接種(各群22,000人)しました。

新型コロナを発症した人数は、

プラセボ群 162人(0.7%)、ワクチン群 8人(0.04%)

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こうなっています。

 

考えてみればあたり前ですが、なるほどねと思います。

短期間の検証結果で得られた有効性なので、

長い間渦中にあった結果としての最近のブレイクスルー感染は、

起こってしかるべきでしょう。

1000万人の5%は、5万人です。

これでも相当大きいですが、半年もたって抗体が減少すれば、

数字はもっと大きくなってもおかしくないですね。

 

ネットで調べてみると、同じような情報がありました。

ファイザーが出している有効率95%の意味 | ごとう整形外科 / 手外科クリニック (karyukai.jp)

ワクチン有効率95%の意味…100人中95人に効いたのではない|日刊ゲンダイヘルスケア (nikkan-gendai.com)

 

話は変わって、インフルエンザの特効薬のタミフルの情報です。

インフルエンザの特効薬として認知されているタミフル、

その副作用が大きな問題となりました。

 

その実態は、こんなものだということのようです。

本のなかに、タミフルの効果を調べた「比較試験」の結果の図がありました。

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各国政府が承認する根拠になったデータで、

「インフルエンザの症状」が消失するまでの期間(日数)を見ている。

対象:18~65歳の健康人、インフルエンザの症状が生じてから36時間以内の人。

  1. 日内体温が38℃以上
  2. 呼吸器症状(席、咽頭痛、鼻炎)のうち少なくともひとつ
  3. 全身症状(頭痛、倦怠感、ふるえ、筋肉痛)などのうち少なくともひとつ

1~3の全部がそろっているケースである。

被験者を、タミフル投与群とプラセボ(偽薬)投与群の2班に分けて、

それぞれ1日に2回、5日間服用させ、1~3の症状が消失するまでの期間を見たもの。

タミフル投与群では、プラセボ投与群より約1日早く症状の完全が見られた。

 

さらに、タミフルの比較試験はどのようにして作成されたかにも触れられている。

  1. 会社(ロシュ社)が計画を立てる
  2. 普段から付き合いのある(研究費や顧問料を提供している)医師を集め、試験実施グループを組織
  3. 医師が患者を誘って被験者になってもらうと、会社は医師に(被験者一人につきいくらという形で)研究費を支払う
  4. 会社に患者データが集められコンピュータに入力され、会社の社員が解析する
  5. 論文は会社が雇った医学専門ライターが執筆する
  6. 論文に協働著者として名を連ねる医師たちが署名する

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薬には「副作用」が必ずあります。

最近は「副反応」という言い方がされ、違和感を感じていましたが、

それは、強いイメージを緩和するために意図的に作られた表現のようです。

ただ、副反応は、ワクチン接種のときに使われるようですが、

全部副作用でいいじゃないか、っていう気がします。

副作用と副反応の決定的な違い | 特定非営利活動法人日本メディカルダイエット支援機構 (medical-diet.jp)

 

インフルエンザの特効薬と言われながら、

たった1日早く治るという効果しかないタミフル。

子どもが窓から飛び降りるというすごい副作用だけでなく、

たくさんの副作用があるのもタミフルです。

タミフル使用上の注意|厚生労働省 (mhlw.go.jp)

 

そんなタミフル、飲みますか?

 

ここからは、私の興味本位で調べました。

患部に局部的に効く薬は存在しないと言われています。

どんな薬も全身に作用するのです。

さらに、薬は石油から作られ、自然に存在しているものではありません。

病気を治す薬も存在しないと言われています。

薬は症状を緩和するだけで、実際に病気を治すのは自身の免疫力なのです。

そんな薬の副作用は、まれにしか起こらないようなのですが、

市販薬にも、半端ではない体を痛める作用があると思っています。

ベンザブロックS - 基本情報(効果・効能、用法・用量、副作用など) | MEDLEY(メドレー)

死亡例も…知られざる“市販薬”の副作用 かぜ薬や目薬などにも要注意 - NHK クローズアップ現代+

薬の副作用について|公益社団法人 相模原市薬剤師会|神奈川県|相模原市| (sagami-yaku.or.jp)

 

もう一冊の『ポストコロナ期を生きる君たちへ』(内田樹編 晶文社)

からひとつ(地球温暖化)を、引用します。

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「ポストコロナにやってくるのは気候危機」 斎藤幸平

今回の感染症の大流行は、現代社会が抱えているもっと根本的な矛盾が、

たまたま感染症という形で露呈したにすぎない。

真の問題はもっと深いところにある。

そして、それは今回のウイルスに対するワクチンが開発されたとしても、

なくならないのだ。

そう、大人たちが地球全体で、向こう見ずな環境破壊を続ける限り、

同様の危機は繰り返し、また別の形でやってくる。

人間は自然の一部であるにもかかわらず、自然を破壊しつくそうとするなら、

そのしっぺ返しはコロナだけでは終わらない。

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これは著書の『人新世の資本論』に書かれている内容の要約ともいえるもの。

この寄稿文のなかにこの言葉がありました。

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石炭火力発電が横須賀や神戸で建設中。

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正直、日本には石炭火力発電が存在し、海外から批判が寄せられていること、

そして、日本は、石炭火力発電のエネルギー効率の進化と高さを

言い訳に使っていること、

そんなことは知ってはいましたが、

私はこれまで、それはどういうことかをちゃんと見ていませんでした。

 

https://beyond-coal.jp/archives/15_coal-fired-power-plants-under-construction/

https://beyond-coal.jp/news/data-update_20210901/

調べてみると、この期に及んで建設中の石炭火力発電所があり、

建設計画もあることがわかります。

菅前総理の2050年カーボンニュートラル宣言で、変わってきている、

変わっていくのかもしれませんが、日本には、小出しの政策、

「しかたがない」精神での現状維持の体質があることが、

より掘り下げてデータを見ることでわかります。

 

これまで、ぼーっと生きてきたな。

それは、知らされている表面上の言葉を、

知らず知らずのうちに鵜呑みにしてきているからなのだろう、

気になるものは、できるだけ調べてみよう、

と感じている今日この頃です。