『薬は異物』の続きです。
同じく『薬剤師は薬を飲まない』で、著者の宇田川久美子さんは、
自分の体験を、このように伝えてくれています。
(書き方は少し変えています)
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かつて私は「痛みは悪いもの」と考えていた。
肩が凝っている状態は悪い、頭が痛い状態は悪い、
その状態を解消するために薬を飲んでいた。
自然治癒力を信じることが大事だけど、
「痛みをがまんしても、薬を飲むな」と言っているのではない。
薬を服用するときに
「なぜそういう症状が出ているのか?」
と自分自身に問いかけてほしい。
- 「頭痛になやまされているけど、もしかしたらクーラーが効きすぎていて、体が冷えているからかもしれない」
- 「夕方になると頭痛がひどくなるのは、ずっとデスクワークをしていて、血行が悪くなったからかもしれない」
さらに、原因らしいものが思い当れば、
- 「体が冷えないようにする」
- 「デスクワークの合間に軽い運動を入れる」
といった対策を講じることができる。
物事にはすべて原因を結果がある。
身体に現れた症状、つまり結果にしか目を向けず、
その症状を抑え込んでしまったら、
原因を突き止めることが出来ない。
原因がなくならなければ、症状はまた繰り返し現れる。
自分のことを誰よりも知っているのは自分。
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書き始めてからここまで、おもにこの本で考えてきました。
これまで、病気や身体や医学に関する本はたくさん読んできましたが、
『定期健康診断を受けない私①』から書いてきたことは、
それらにほぼ共通しています。
症状を抑えることに躍起になるのではなく、
自分の身体の免疫力を高める努力をして、ゆっくり休むこと、
そして、健康な体作りをすることが大事なことです。
たとえば、よく言われる「発熱」には意味があるのです。
- 病原菌の増殖を抑える
- 白血球の機能を促進する
- 免疫機能を高める
だから、熱をむりやり下げてはいけないんですね。
熱を薬で下げると、治る風邪も治らなくなります。
だから、薬なんか飲まずに、安静にして、ゆっくり休めばいいのです。
病気を治す薬は、ひとつもないとも言われます。
薬は症状を抑えるだけで、病気を最終的に治すのは、
自分の身体の免疫力なんです。
この一連の考察の中で、結局は
- 自分の身体はかけがえのないものだから、それを大事にする気持ちが必要
- そして、頑張っている体に感謝すること
ということに行き着くのです。
自分の身体に感謝し、大事にしようと思えば、
自然と健康な生活をしようという気になりますよね。
しかし、だからといって、あれをやらねば、これを食べてはいけない、
そんなに深刻になっては、何をやっているのかわかりません。
たとえ、たまに、暴飲暴食をしても悔やまないことです。
不健康な食品添加物満載のインスタント食品を食べたとしても、
また、お酒を飲みすぎたとしても、
楽しく、おいしく飲んで食べたのなら、それでいいのです。
ただ、私の経験上、楽しい場では飲みすぎることはありますが、
インスタント食品を食べようという気にはならなくなっています。
それは、ハーブデトックスで体質が変わったこともあり、
また、年齢上の理由からだと思います。
自然のもの、旬のもののおいしさを知っているからです。
何はともあれ、一喜一憂したり、
何事にも、過度にストレスを感じないこと、
人生を楽しむことが大事だと思っています。
一応、4回に分けて書いてきたことは、これで打ち止めとします。
この写真も、野山を歩いた時にふと目がとまって撮ったものです。
人間も、本来は自然にある生き物です。
本来の人間らしい豊かな生活、それを少し意識してみるのもいいと思います。