『子どもを信じること』田中茂樹著を読んで、
「<Tip & Episode> 片付けのできない子どもたちと」
10/12に、このブログを書いた。
最近、「しつけとはなにか?」を考えている。
著者の田中茂樹さんが参考にされた著書に、この本がある。
田中茂樹さんが、尊敬されてる長谷川博一さんは、
大学で心理学の教鞭をとる傍ら、
さまざまな現場でカウンセリングの実務に携わっていて、
その経験に基づいて、さまざまな本を書かれている。
この本も、とても学びになるので、
中古しかなかったけど、アマゾンで買った。
「親から子どもの幸せを強く願うからこそ、
子どもは幸せを奪われ、親自身も幸せになれない」
この言葉は衝撃的。
私は、学童保育で無邪気な小学校1-2年生に接し、
ドリームマップで、小学校4年生、6年生、
中学校1年生、3年生に接してきている。
どうして年齢が上がるにしたがって、自己肯定感が下がるのか?
ドリームマップ授業で、さまざまな場面に直面しながら、
このことを体感し、考えている。
それは、ある意味当たり前。
しかし、普通に成長していく中での自己肯定感の変化ではなく、
なにか歪められたものがあるように感じられて、仕方がない。
落ち込みを乗り越えていく力が感じられない。
そこには、親の期待と子どもの現実との間に葛藤がある。
これは現代病ともいえるのではないだろうか。
上記の言葉の後に、このようなことが書かれている。
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カウンセリングでの数々の出会いと別れの体験は、
現代的な「しつけの歪み」がどんなものであるかを示している。
親の期待が強ければ強い分、子どもは期待通りに歩まない。
どの親も、しっかりしたしつけの延長線上に子どもの成功があると信じている。
しかし、親が描く子の予想は、相当に甘いものと言わざるを得ない。
ずいぶん後になって、たいていは、子どもが思春期になったとき、
かつての予想が幻想にすぎなかったことに気づかされる。
思春期に起こる脱線現象は、それまで手塩にかけてきた子どもによって、
親が完全に否定されることを意味する。
だから、思春期の子どもを襲う危機は、人生半ばの親にとっても、
最大の危機ということになる。
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そして、著者はこう続ける。
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もし今、子どもの反乱によって親子が危機に瀕していても、
今すぐ嘆くのをやめましょう。
絶好の「親子の出会いなおし」のチャンスが訪れているのですから。
子どもが、まだ小学校低学年なら、
早期に問題に気づいた幸運を喜ばなくてはなりません。
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思春期に起こる脱線現象は、それまで手塩にかけてきた子どもによって、
親が完全に否定されることを意味する。
この言葉は重い。
そして、私にも身に覚えのあること。
小学校入学前にADHDと診断された息子が、
中学校で、厳しい状況になった。
それによって、私は、大げさに言えば
人生の価値感が大きく変わることを経験することになった。
そのおかげで、いまの自分がある。
いま、ライフワークとして、
「子どもたちが自ら育っていくお手伝いをすることを通して
それにかかわる人たちみんなが、人間らしい豊かな人生を生きる」
をやっていこうと思っている私にとって、
「しつけとは何か」と向き合うことは、
この上なく大事なことだと思っている。