『子どもたちの放課後を救え!』(川島敬二郎著 文藝春秋)を読みました。
まずは、今どきの子どもたちや放課後の状況に関することを引用します。
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子どもたちの放課後から「サンマ」が消えた、といわれて久しい。
サンマとは、「時間」「空間」「仲間」の3つの「間」のこと。
塾や習い事で「時間」がなくなった。
子どもたちは忙しくなり、
平成に入ってから手帳を持ち歩く子どもたちが出現するようになった。
遊びの日程を決めるのに手帳を取り出す。
「月曜は塾、水曜はスイミング、土曜日はサッカーだから」などと言って、
スケジュールを調整する。
もちろん「仲間」たちも、同じように忙しい。
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私が接している子どもたちも、2年生、3年生になるとだんだん来なくなります。
Kumonや学研に行っていたり、習い事が5つもあるという子もいます。
もちろんそうでない子もいるのですが、私からすれば、それ楽しいですか?
もっと、友だちとたっぷり遊ぼうよ、と言いたくなります。
「時間」がないのは、私の接している子どもたちだけではありません。
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神奈川県教育委員会の2003年の調査
(対象:2年・4年・6年の子どもとその保護者、教員 複数回答可)
「外で遊びたくて野遊べない理由」
- 「塾やお稽古事があるから」 2年生 52%、4年生 58%、6年生 58%
- 「時間がないから」 2年生 38%、4年生 42%、6年生 51%
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さて「空間」はどうでしょうか。
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「空間」についての同調査
- 放課後や休日によく遊ぶ場所: 自分の家 67%、友だちの家 52%
- 一世代前の保護者や教員: 広場や空き地 68%
- 保護者世代に主流だった、缶けり、鬼ごっこ、かくれんぼ、秘密基地つくりといった「外遊び」が減って、テレビゲーム、パソコンゲーム、トランプやカードゲームといった「中遊び」が主流になった。
千葉大学教育学部明石要一教授による「空間についての調査」
- 小学3年生の1クラス全員にインスタントカメラを渡し、好きな場所を写してもらった。
- 自分の部屋のぬいぐるみ、漫画、装飾品、家族との食事の様子など、ほとんどが屋内の風景。
- 今どきの子どもは道草をくっていない。
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「時間」と「空間」が消えれば、「仲間」はおのずと消えていく。
そもそも少子化で遊ぶな相手も少ない。
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これをもって、子どもたちの放課後からサンマが消えたということなのです。
さらに消えたものがあるようです。
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もう一つ消えたのの「第3の大人」
- 「第1の大人」:両親
- 「第2の大人」:学校や塾の先生
- 子どもたちを叱り飛ばす「頑固おやじ」、公園などで遊んでくれる「お兄さん」「お姉さん」がいない。
- 「お兄さん」「お姉さん」も、指導を通して学んでいた。
サンマが消え、第3の大人が消え、子どもたちは内向きになっている。
しかも、自分の部屋という閉ざされた空間に集中している。
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こんな子たちの放課後を救うためにはどうしたらいいのでしょうか?