この本からの抜粋です。
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<問い>
広い荒野に一本の木が立っています。
その荒野は強い風が吹き荒れるので、木はダメージを受けてしまいます。
これを防ぐには、木はどのように対処すればよいでしょうか?
<回答>
- とにかく太く強くなること。
- 強風を受け流す、しなやかさを身に着けること。
- 人間の手を借りること。嵐の前にまわりを防風壁で囲ってもらう。折れそうなときには、支えを作ってもらう。
- 嵐の前に逃げてしまう。もっと穏やかな気候の地域に移植してもらう。
- ここまで対処して、たとえ木が折れてしまっても、新たに芽吹く可能性に賭ける。
<説明>
- 1.は「ハーデイネス」、ストレスをストレスとして感じることなくはねのける強靭な性格特性。
- 2,はレジリエンスをもたらす性格要因。
- 3.と4.は、他者や周囲から何らかの支援を受けることや支援を受ける機会が存在しることの重要性。
- 5.は、心的外傷後成長。
心的外交後成長とは、
- つらく苦しい経験をきっかけに以前よりも成長したと実感すること。
- 心的外傷後成長の前提となる「非常につらい出来事」とは、人生を揺るがすような衝撃的な出来事。
その経験によっておこる変化とは、
- 他人に対して、以前よりも思いやりを持ったり、一人でいても孤独と向き合うようになったりする対人関係の変化。
- 大きな出来事がなければ見いだせなかったような、経験以前では見られなかった新しい可能性や見通しが得られたという感覚を持つこと。
- 自分への自信や自分自身の強さを自覚すること。
- 出来事を経験する以前よりも信仰心や宗教心を持つようになったり、以前とは気となるものを信じたりする変化。
- 命の大切さや尊さに気づき、人生に感謝する心を持つようになること。
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” resilience " とは、「回復力」ということですが、私の感覚では「弾力性」。
変形されたものが元の形に戻るということですね。
クッションのような柔らかさということもいえます。
レジリエンスとは、しなやかさともいわれたりしますが、
柳の枝のように、風が収まれば、もとの姿に戻るということなのでしょう。
そうはいっても、人間そんなに簡単にはいかないでしょう。
人は「ハーディネス」を求めて頑張るけど、それはどこかで破綻する。
だからといって、180度レジリエンス(しなやかさ)に転換することはムリ。
結果として、つらい体験を味わうことになる。
それが心的外傷後成長につながれば、それがレジリエンスではないか、
そんなことをこの本を読んで思っています。
そこで成長に転換できるかどうか?
それは、どうしたらできるのか?
正直、私にはわかりません。
それでも、なんとか心的外傷後成長ができれば、
上記のように感謝することができるようになり、
他人にも頼る勇気が自分の中に生まれる。
そういうことではないでしょうか。
弾力性ということでは、
" bounciness " 「跳ね返る力」というのがあります。
何か苦しいことがあったとき、
元に跳ね返るのは、" bounce back " ですが、
元よりももっと先に跳ね返るのを、" bounce beyond "といいます。
心的外傷後成長は、この " bounce beyond " を生み出すものだと思います。
これは、自分自身の体験から出ています。
私は、心的外傷後成長を体験しています。
だから、いまがあるのです。
それを体験できたことに、ありがとう!