『70歳が老化の分かれ道』(和田秀樹著 詩想社新書)を読みました。
和田秀樹先生の本は何冊か読んでいます。
いちいち納得できるので、
私のこれからの心豊かな人生に励みをもらっています。
若いころ、一生来ないのではないかと思えていた70歳が目前に迫っています。
あと2年半余りとなりました。
私の母も91歳です。
もともと膝が悪いので、何とか立ち上がれますが、
歩けないので移動は車いすです。
認知症なので、短期記憶はさっぱ入りダメですが、
それを認めてくれる周りの人たちがいる限り、頭はしっかりしています。
この週末から、面会に行く予定です。
長生きするのが目的ではあません。
健康でずっといられることが大事です。
そのためには、足腰がしっかりして歩けること、
これがこの上なく重要なのです。
しっかり歩いて動く生活をしていると、
認知症にもなりにくいと言われています。
歩いて動くのは、今日用事があり、今日行くところがあるということで、
身体的健康にも、精神的健康にもプラスです。
私はそう思っています。
和田秀樹先生は、それを裏付けることを言われています。
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80歳や90歳になっても、
いまの70代の人たちのように元気に活躍できるようになって、
人生のゴールがどんどん後ろにずれていくというのは幻想でしかありません。
若返るのではなく、
医学の進歩によって「死なない」から超長寿命になるというのが、
「人生100年時代」の実情です。
80歳になれば、みな老いに直面することになります。
しかし一方、寿命だけは延びていく。
これは私たちの人生設計を大きく変えることになるかもしれません。
これは、せいぜい10年ほどだった「老い」の期間が、
15~20年に延長する人生が標準になっていくからです。
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そう、人生が長くなるということは、
「老い」の期間が長くなるということです。
「老い」の期間が長くなるということは、
本人にとってはいいかもしれませんが、
それを支える人たちや社会は、どんどん大変になっていくということです。
しかし、これから少子高齢化はどんどん進んで行きます。
さらに続きます。
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私が高齢者専門の浴風会病院に勤めていたときは、
亡くなられた方々の病理解剖の報告に毎週接していましたが、
そのときにわかったのは、85歳以上の方で
アルツハイマー型認知症の変性がない方はいないということでした。
つまり、それくらいの年齢になると、脳は確実に老いていきます。
軽重の差はあっても、85歳を過ぎれば、
脳の病理としてアルツハイマーになっていることが普通なのです。
寿命が100歳近くまで延びていくということは、身体のほうはある程度、
健康が保たれるようになっていく一方で、
脳の健康はそのように保てないというアンバランスを生んでいきます。
結果的に、認知症などと付き合いながら過ごす
老いの期間が延びていくという晩年をもたらします。
長い老いの期間を健やかに過ごすためには、
まず、脳の機能をいかに80歳以降も保つかが重要です。
あわせて、70代のときにもっている運動機能を、
いかに長持ちさせるかということも大切になってきます。
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どうすればいいのか?
それは、「いま」を楽しむということだと私は思います。
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将来を心配して、長生きができる確証のない薬を律義に飲み続けるより、
今の生活の快適さを追求することの方が重要だと私は考えます。
たまに、血圧の薬などたくさん飲んでいる患者さんが、
「頭痛の薬をほしいのですが、こんなに他の薬を飲んでいるので、
頭痛薬は飲まずに我慢します」
といったようなことを言うことがありますが、これなど本末転倒です。
長生きできる確証もない薬をせっせと飲むよりも、
頭痛があるなら我慢などせず、薬を飲むべきです。
それで胃が悪くなったら、胃薬を飲めばいいのです。
薬とは、不調があるときに楽になるために飲むものだ
という基本にかえってください。
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私は、わけのわからない薬を飲む生活というのが、大きらいです。
だから健康診断は受けません。
適度な運動、おいしい食事、自分でも家族のために作り片付けもする、
社会活動をする、そんな生活をしてきて、コロナに感染してからほぼ丸3年、
風邪ひとつ引くことなく元気に過ごしています。
過信は禁物ですが、人とのつながりがあり、好きを楽しめ、
不安や変なストレスがなければ、大丈夫だと信じています。
昨日2日にNHKニュースで、
「ことし約5人に1人が後期高齢者に 医療や介護の体制拡大が課題」
というのがありました。
そうなんだ、大変だなと思いますが、自分では何もできないので、
自分のことや周囲のことだけを考えていくほかありません。
心情的には、一生介護のお世話にはなりたくないなと思っています。
それが実現できれば、介護対象者マイナス1に貢献したことになります。