人は血管とともに老いる ④

続きです。

 
  • LDLコレステロールは、悪玉コレステロールと悪者扱いされているが、細胞膜をつくったり、ホルモンの材料となったり、身体に欠かせない成分である。
  • LDLコレステロールは、それ自体が多くても、血中滞りなく流れていれば問題ない。
  • LDLコレステロールは粒子が小さいので、流れる途中で血管壁のちょっとした亀裂や枝分かれするところに入り込んでしまう。それによって血管の中膜(筋肉層)が硬くなり、弾力性が失われる。
  • 白血球はLDLコレステロールを掃除しようと出動する。しかし、白血球が食いつぶれてしまうことがあり、するとそこにLDLコレステロールが付着し、さらに白血球が食いつぶれていく。
  • どんどん堆積してプラークになる。
  • プラークが肥厚すると、血管が閉塞するリスクがある。
  • 血液の流れが悪い血管内には、血小板が溜まって血栓ができる。
  • LDLコレステロールは、血管壁のいたるところに付着して集積し、血管自体を固くする(動脈硬化)。
  • 血圧が高くなり、柔らかい血管のところは、高い血圧に押されて、しだいに膨らんでくる。血が溜まって動脈瘤ができる。

 

上の血圧(収縮気圧)と下の血圧(拡張気圧)の差が脈圧。
脈圧が大きいほど拍動流になるため血管にはよい。

脈圧が上がるとなぜよいのか?

  • 拍動流では血液が波打って運ばれていく。
  • その動きによって、血管内膜にある内皮細胞が刺激されて、NO(一酸化窒素)が増加。
  • 血管内にはエンドセリンという物質があり、血管を収縮する作用がある。
  • NOはエンドセリンに拮抗して、血管内のLDLコレステロールの沈着や酸化を防ぎ、動脈硬化を防ぐ作用がある。
  • さらに、血管の中膜(筋肉層)を拡張させるので、血管が広がって血管の循環がよくなる。
  • 血流と脈圧が正常に保たれなくなるとNOが減少して、血管を狭くする。とりわけ、冠状動脈のような小血管の狭窄メカニズムにはNOの作用が関与していると推測されている。
  • NOは、筋肉を柔軟に保つだけでなく、乳酸が増加し筋肉が酸化するのを防ぐので、美容効果も期待できる。

 

「老いるほど血管が癒よくなる健康法」(南和友)からのお勉強は、とりあえず以上。