【学びの時間】新春の問いを考える⑤ 「一隅の輝き」のネットワーク

引き続き『覚醒のネットワーク』(上田紀行著 アノニマ・スタジオ)に

沿って学んでいく。

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現実の暴力、差別に対してはっきりとNOの意思表示を示して、

その流れを止めながら、

しかし、差別するもの、暴力をふるうものも、この世の中で病んでおり、

癒しを求めているのだという認識を持ちながら進んでいく。

(中略)

私たちの新しい運動、それは運動自体が癒しであるような運動、

運動の中に埋没するのではなく運動の中で開かれていく。

私と世界の輝きを取り戻していく癒し合いの運動こそが、

いま世界中で展開しつつある新しい流れである。

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30年以上前に、このような癒し合いの運動の流れが起こっていたという。

しかし、現在の状況を見る限りにおいて、

④に書いた’「古い型の運動」が連綿と続いてきたようにしか思えない。

古い型の運動は、「権力」を握っている「強者」を「弱者」が打倒し、

権力の座から引きずり下ろすことを目標としている運動である。

これでは、世のなかは変わっていかないのである。

 

しかし、この感覚は、正しいようで正しくない。

30年前は、まだ古い型の運動が終わる時期ではなく、

振り切れるまで進んでいく時期だったともいえるかもしれない。

九星気学では、2020年に「終わりの始まり」と言われた。

その意味では、いまは終わりに向かっている時期だ。

【恵方参り】なんだかとってもいい感じ! - Sol Cafe 『幸せの栖(すみか)』 (hatenablog.com)

そして、「風の時代」が始まったのが、2010年末。

【学びの時間】カレイドスコーピックな世界へ① 土から風へ - Sol Cafe 『幸せの栖(すみか)』 (hatenablog.com)

 

私は、たくさんの本を読んだり、アンテナを張ることで、

多くの人たちが、自らの想いで癒しの活動を行っていることを知っている。

私自身も市民活動のささやかな活動に関わるようになって、

小さな小さな、しかし着実な活動、「癒し合い」というより、

「ささえ愛」というべき活動が、

そこここにあることを肌で感じるようになった。

 

著者が同志とある活動をしているときに、作家の高史明を訪れ、問いかけ、

高氏から得た言葉を紹介している。

 

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確かに世界中には数限りない問題があります。

けれども問題があるところには、

必ずそれをどうにか解決しようとしているひとがいます。

戦争に反対しているひと、自然破壊を食い止めようとしているひと、

差別をなくそうとしているひと、

そして君たちのように政治犯の救援をしているひと、...

それらのひとびとは、みな違ったことをしているように見えて、

実は深くつながり合っているのではないでしょうか。

だから君たちは、君たちの運動に関わっていることで、

他の問題にも、そしてこの世界全体に関わっていることになるのです。

ピラミッド型に組み上げられた上意下達の垂直型の世界ではなく、

世界のいたるところに「いのち」のエネルギーが吹きあげる中心があり、

その小宇宙どうしが生き生きと重なり、

絡まり合う「いのち」のネットワークが生まれつつある。

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ここで思い出されるのは、

認定NPO法人テラ・ルネッサンスの鬼丸昌也さんの言葉、

「僕たちは、微力だけど、決して無力ではない」。

これまで何度も思い出してきた言葉だ。

【学びの時間】経験とは? 報道とは? 平和とは? - Sol Cafe 『幸せの栖(すみか)』 (hatenablog.com)

 

結局、最初に書いたこの言葉に戻ってくる。

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あなたが輝くことで、世界も輝く。

あなたが自分らしく生きられれば、あなたの仲間もうれしくなる。

そして、みんなも輝きだす。

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自分が「一隅で輝いている」と感じられれば、それそのものが「微力」だ。

ひとりひとりの「微力」がつながり合っていると考えれば、

「一隅の輝き」のネットワークとなる。

上田紀行氏が30年以上前に『覚醒のネットワーク』で語りかけていたことが、

これから実現に向かって進んでいく。

私は、そう信じている。

 

古い型の社会が終わりを迎えるとき、

相当の痛みを伴うことを覚悟しないといけない。

しかし、それに対して具体的に準備することはできない。

古い社会に寄りかかっているだけだったら、

その痛みは計り知れないだろうし、絶望感にお陥るかもしれない。

そのとき、私たちは「構造的暴力」から解放されると思えるだろうか?

その痛みを乗り越え、「構造的暴力」を克服していくために、

私たちにできることは、自分自身の「一隅の輝き」を持つということだけ。

それがあれば、ともに支え合う「仲間」に恵まれる。

それを自分の拠り所とするほかないと思っている。

 

ではどうすれば、「一隅の輝き」を持つことができるのだろうか?

 

写真に意味はありませんが、

リンクしてシェアしたときに、写真があった方が見栄えがいいので、

散歩中に撮った写真を適当に貼っています。