Facebookにも引用しましたが、
この本には、こんな言葉たちが書かれていました。
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ミヒャエル・エンデ『モモ』より
ゆっくり歩けば歩くほど、はやくすすみます。
いそげばいそぐほど、ちっともまえにすすみません。
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アントワーヌ・ド・サン・テグジュベリ『星の王子さま』より
「あんたが、あんなにバラの花を大切に思っているのはね。
そのバラのために、時間をむだにしたからだよ」
そしてキツネは最後にこうつけ加えた。
「だけどあんたは、このことを忘れちゃいけない…」
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著者はこう続けます。
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キツネはここで、愛とは何か、という問いにひとつの答えを出している。
愛とは、相手のために時間をむだにすることだ、と。
なるほど。
しかし、このことを人間は忘れている。
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私は、現代人はムダな時間を嫌っています。
効率や生産性を追い求めるがために、
何か大切なものを忘れてしまっているようです。
逆に、焦る、あくせくすることで、
悪いムダを生じさせているとも言えるかもしれません。
私は、現代人は「生き急いでいる」と思っています。
これでブログを検索すると、こんなことを書いていました。
大目に見るということ - Sol Cafe 『幸せの栖(すみか)』 (hatenablog.com)
また、「時間に追われ」ているとも思っています。
それに関して、かつてこんなことを書いていました。
<Tip & Episode> 「直線の時間」と「選抜社会」と - Sol Cafe 『幸せの栖(すみか)』 (hatenablog.com)
<Tip & Episode> 「循環する時間」と「自然の営み」 - Sol Cafe 『幸せの栖(すみか)』 (hatenablog.com)
これらは、実感できることです。
まだましだと感じます。
本当に恐ろしいのは見えないところにあるのです。
ミヒャエル・エンデの『モモ』にある「時間泥棒」が暗躍しているのです。
とっても不気味です。
以下、この本からの引用です。
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促成栽培、単一栽培、化学肥料、農薬、抗生物質、ホルモン剤、
遺伝子組み換え、クローン技術、…。
そのひとつひとつについて、今説明することはできないが、
これらはみんな、ぼくたち人間が最新の科学技術を使って、
生き物たちの時間や空間を切り縮める方法だと言える。
日本ではふつうの4倍の速度で大きくなるレタスが開発され、
カナダやアメリカでは、
ふつうのサケより6倍も8倍も速く育つサケがつくられた。
経済の新聞では、こういったできごとが、
すばらしいニュースとして大きな見出しつきで報じられる。
きみも知っているとおり、サケは小さな川で生まれ、
少し大きくなると川を下って海へと泳ぎ出す。
3年も4年もかけて大会を旅した後、
ふるさとの川まで産卵のために帰ってくる。
これがサケの時間だ。太古の昔から、
このサケを貴重な食料としてきた人間は、
しかし今では、もうこんなのんびりしたサケの時間を待つことができない。
きみはニワトリやブタの飼育場に行ったことがあるかもしれないね。
きみたちの食べるものになる生きものたちは幸せそうにいきていたかな?
食肉にしたり、卵を産ませたりせまいおりにぎゅうぎゅうにつめこまれ、
後ろを振り向くこともできないくらいだ。
運動不足のまま高い栄養価のえさを食べ続けるので速く太る。
こういうすし詰め状態では、必ず病気が起こる。
それを防ぐために抗生物質を与えられる。
その抗生物質が速く体を太らせるのに役立つことも知られている。
ニワトリたちの昼と夜は短縮され、コンピューターで管理されている。
太陽が東から昇り西に沈むという自然の時間の一日を、
ニワトリたちが過ごすのを、もう誰ものんびり待ってくれない。
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時間と空間を切り縮められて混乱し、衰え、不機嫌になり暴力的になった
生き物たちの肉や卵はぼくたちの食卓にやってくる。
そんな不幸せないのちをいただきながら、はたして人は幸せになれるだろうか。
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