【学びの時間】「がん」というものを知る② がんの性質

近藤誠先生の著書から、「がん」とはどういうものかを学びます。

 

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がんには、「タチの悪い」がんと「タチのいい」がんがある。

それを、近藤先生は、「本物のがん」と「がんもどき」と呼んでいる。

 

本物のがんには、「転移するがん」と「転移しないがん」がある。

転移するがんの場合、転移病巣の元になったがん細胞は、

初発病巣がごく小さくて発見不能な時期に転移している。

 

人のからだを作る心臓、肝臓、脳などの臓器は、

それぞれに「幹細胞」が存在している。

ハチの社会にたとえると、女王バチにあたるのが幹細胞、

それが分裂してできる正常細胞がミツバチに相当する。

人体をつくっている正常細胞はすべて幹細胞から分かれたもの。

 

37兆個と言われる正常細胞は、

それぞれが2万個を超える遺伝子のセットを持っていて、

それら遺伝子を設計図として何万種類ものタンパクを合成している。

1個の受精卵が分裂を繰り返してできたのが人体なので、

正常細胞はすべて同一の遺伝子のセットを持っている。

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もうこれを聞いただけで、人体とは奇跡としか思えないですね。

どんなことが起ころうと、自分のからだには感謝が必要だと思います。

 

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人体は誕生後、自然界の放射線、農薬、タバコ、

大気汚染物質などの有害物質にさらされ、

それらは遺伝子を傷つけ「変異遺伝子」に変える。

ある細胞にたまった変異遺伝子の種類や数が幹細胞にふさわしいものになると、

その細胞は「がん幹細胞」になる。

すべてのがん細胞は、こうしたがん幹細胞の子孫である。

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まさに、がん細胞は、自分のからだの一部。

正常細胞と同じように子孫を残していくんだね。

 

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「がん幹細胞」は、転移する能力を持つか持たないかのどちらかである。

転移能力があれば、がん幹細胞やその子孫のがん細胞は、

早い時期から転移する。

これが、がん細胞が生まれてすぐ、

あるいは初発病巣が1ミリ以下のときに転移してしまう理由。

 

発見される早期がんは最小でも直径1センチ程度。

そこには、10億個ものがん細胞がつまっており、

がん幹細胞からそこまで育つのに5~20年程度はかかる。

それなのに転移していない早期がんは、

がん幹細胞に転移能力がない証拠になる。

 

発見されないがんは、「潜在がん」であり、それも転移能力がないと言える。

いろいろな臓器に見つかる「ポリープ」は、潜在がん未満の存在で、

放っておいても早期がんにはならない。

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つづく

 

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写真には、特に意味はありませんが、

リンクしてシェアしたときに、写真があった方が見栄えがいいので、

散歩中に撮ったものを適当に貼っています。