【ツマグロヒョウモンの独り言】ウサギとカメの不思議

キャロル・S・ドゥエック著『マインドセット』を読んでみた。

その中で、ベンジャミン・バーバー(社会学者)のこの言葉が引用されていた。

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私は人間を弱者と強者、成功者と失敗者とには分けない。

学び人と学ばない人に分ける。

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学びとは、知識を増やすことじゃない、

人間として成長するためのものだということだね。

 

そして、この本で印象に残ったのが「ウサギとカメ」。

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子どもの頃に読んだ「ウサギとカメ」の物語では、

足が速いけれども、そそっかしいウサギと、

足はのろいけども着実なカメが競争すると、

地道に努力するカメの方が勝つんだよと教わった。

でも、実際、カメになりたいと思った子なんていただろうか。

だれもが望んだのは、もう少し慎重なウサギ、

疾風のごとく足が速くて、ゴール前でうっかり昼寝などしないウサギ、

勝つためには、やはり足が速くなければいけないことくらい、

みんな知っている。

 

ところで、この「ウサギとカメ」の物語は、

地道な努力の大切さを教えることを意図していながら、

結果として、努力というものによくないイメージを与えてしまった。

つまり、努力は、のろまなやつがすることだが、

たまにできるやつがヘマをしうると勝利が転がり込むことがある

という印象を与えてしまった。

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ウサギとカメは、そもそもなぜ競争する必要があったのか?

ウサギは怠け者、カメは努力家、そんな印象を植え付けるのもおかしい。

ウサギはウサギ、カメはカメ。

ウサギやカメの中にも、いろんなウサギやカメがいる。

 

人間にも、俊敏な人もいれば、かなりおっとりした人もいる。

そんな違う人を比べるのもおかしいし、まして競争させるのもおかしい。

それぞれが自分を知り、学びを続けて行けばいい。

 

学びを続けるとは、奢ることなく謙虚であり続けること。

最近、学ぶことをしていない人が、目立つよね。

悲しいね。

 

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ツマグロヒョウモンは、ツマグロで鮮やかな方がメス。

単調な色彩の方がオス。

どちらがきれいとみるか、それは人それぞれ。

そこにいい悪いはない。