前を向き、夢を持つことの大切さ

12月1日のドリームマップ授業で、子どもたちに伝え始めたものがあります。

明日のドリームマップ授業でも使います。

これです。

 

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落水洋介さん 百万人に一人の難病PLS(原発性側索硬化症)患者

 

私は、PLSという病気になってしまいました。どんどん足が動かなくなって、

どんどん手が動かなくなって、しゃべることも食べることもできなくなり、

数年後には寝たきりになってしまうような病気になってしまいました。

普通に考えると、

すごくかわいそうに感じられるかもしれないかもしれませんが、

今が人生の中で私は一番幸せです。

 

でも、なぜこんな病気なのに幸せなのでしょうか。

それは、ささいなことや、今まで当たり前だったことに

感謝できるようになったからです。

足が普通に動いて歩けたことに、「ありがたかったな」と感謝できます。

手が普通に動いたことにも「ありがたかったな」と思えるし、

普通にしゃべれたことにも「ありがたかった」と本気で思っています。

 

友だちがメールをくれたり、電話をしてきてくれること、

遊びに連れ出してくれることも、以前は当たり前のことでした。

でも今は、そんな当たり前だったことに

「ありがたいな!」って本気で思えます。

ささいなことや当たり前のことに感謝できるようになり、

身のまわりに「ありがとう」がいっぱいになったとき、

私はこんな病気にかかりましたが、

今が一番幸せだと思えるようになりました。

 

私には、今、仕事と言えるようなものがありません。

いまの夢は、寝たきりになってもできる仕事をたくさんつくることです。

そのことを考えるとワクワクするし、ドキドキするし、

大変だとは思いますがやりがいを感じています。

 

でも、以前は夢がありませんでした。

小学校から高校まではサッカーを必死にやって、

大学時代は必死にバイトをして、必死に遊んで、

就職活動の時期にはやりたいことなんて何もありませんでした。

しいて言えば、経営者になってぜいたくな生活がしたい

というようなボヤっとした夢でした。

 

世間にどんな仕事があるのかも知らなかったし、

今でも知らない仕事がたくさんあります。

どうせ働くなら、いやいや働くのではなく、

また生活のためだからしかたないと思いながら働くのではなく、

毎日ドキドキするとかワクワクするとか、

きつい仕事ではあるけど充実してるとか、達成感があるとか、

やりがいがあるとか、そんな仕事を見つけてほしいです。

もちろん、仕事以外の夢でもいいですから、

夢をたくさん見つけてほしいです。

 

何と言っても、夢があると楽しいですから。

何歳になっても夢は見れるし、何個あってもいいと思います。

だから、もっとアンテナを張って、

どんな仕事があるのかを知ろうとすることが大事だと思います。

アンテナを張り続けておれば、必ず夢は見つかると思います。

私はこんな病気になりましたが、夢があるから楽しいです。

 

出典:『夢授業』北九州キャリア教育研究会

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ドリームマップでは、

「自分のこと、どれくらい好き!」という問いが2回あります。

1時間目の終わりと、6時間目の終わりです。

コップの絵があって、そこに水の量で自分がどれくらい好きかを表します。

 

どこの学校に行っても、驚くほど水の少ない子が、

パンパじゃなくたくさんいます。

底に点を書く子も、めずらしくありません。

ここ1年くらい4年生の授業をやっていないのですが、

感覚的には、4年生くらいだとまだ水は多めです。

しかし、6年生や中1になると、これが現状なんです。

それが、ドリームマップを描き発表して、

みんなから応援してもらったあとは、

大半の子たちの水が、目に見えて増えます。

 

ちなみに、ドリマ授業では、少なかったらダメとは言いません。

少なくても、いいよ、大丈夫!

コップの水は、そのときの気分や状況によって変わるから!

とはいえ、私たちは、夢を膨らませるために、

みんなのコップの水が増えてほしいと思っているよと伝えます。

そして、1時間目にコップの水を書いた後から、2時間目の前半にかけて、

コップの水を増やす方法を伝え、その一つをワークします。

 

私は、オリジナルで、半分水の入ったコップのどこを見るかを聞いて、

ないところを見るか、あるところを見るかで、どう違うかのお話をします。

そのキーワードは、「不足感」「不満足感」、「幸せ感」「感謝」です。

これまでは、それで終わりでした。

前回から、そこでまず、落水洋介さんの文章の最初から

「感謝できるようになったから」までを読むようにしました。

 

2時間目の後半の部分は、ドリームマップの下地になる

「夢の設計図」のワークをしますが、そのキーワードは「ワクワク」です。

そこで、真ん中あたりの、

「今の夢は」「ワクワク」「ドキドキ」「やりがい」

のところを読みます。

 

そして最後の締めくくりの「ドリームマップを育てよう!」のなかの、

「社会に目を向けて生活しよう!」のところで、

最後の数行の「アンテナを張る」の部分を読みます。

 

これは、2時間目から最後まで黒板に貼っておき、

お休み時間などに読んでねと伝えます。

 

子どもたちのコップの水は、現代の縮図のように思えてなりません。

たかがコップの水、されどコップの水なんです。

 

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写真は、特に意味はありませんが、

リンクしてシェアしたときに、写真があった方が見栄えがいいので、

散歩中に撮った写真を適当に貼っています。