自立とは、「独り立ちすること」ですよね。
さらに、「他からの支配や助力を受けずに存在すること」、
とも辞書には書かれていますが、これって生半可じゃないですね。
いまの世の中、支配を受けないってことは、まずありえません。
子どもは学校に行くし、大人は仕事をしに何らかの職場に行きます。
家庭にいても自由ってことはないですね。
それに、他からの援助を受けまいと頑張ると潰れてしまいます。
では、自立するにはどうしたらいいのでしょうか?
自立することはよいことなのでしょうか?
『見守るだけで子どもは育つ」奥平亜美衣著にこう書かれています。
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自立というのは、
「自分の幸せが誰かに依存していない」こと、という意味。
家族それぞれが、個性を持ったひとりの人間として、
大人かこどもかに関係なく、認め合うこと。
つまり、自分以外の誰かを支配したりコントロールしようとしていないこと。
そうなるまで待つということ。
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自分で自分が幸せだと感じられるかというと、
これもまたそう簡単ではないでしょう。
ドリームマップ授業で、毎回それを感じています。
ドリームマップ授業に行くと、1時間目~2時間目にかけて、
子どもたちに、ここに水の量で「自分への好き」を表してもらいます。
たくさん入っている子もいますが、すごく少数で、
悲しくなるくらい少ない子がたくさんいるのです。
コップの底に、点を書く子も、全然珍しくないんです。
ドリームマップは、おもに小学校4年生、6年生、中学1年生にやっています。
学年が上がるほど、少ない子が増える傾向があります。
私の率直な感覚としては、学校というものが、
子どもから、「自分が好き」を奪っていると思えるのです。
- 学校では、同年齢同学年での比較にさらされます。
- 勉強はできるまでやらされます。
- 宿題はいっぱい出ます。
- 最近、コロナの休学の挽回のために、宿題が増えているように見えます。
- 常に評価され、成績が付けられます。
- 学校でも家庭でも、叱咤激励されます。
- そのとき、だいたいは勉強が最優先です。
すくなくとも、
- 自分以外の誰かを支配したりコントロールしようとしていないこと
- そうなるまで待つということ
にはなっていないですね。
思いっきり遊ぶこともできず、ストレスにさらされる日々を送っていると、
自分のできなさ加減ばかりに目が向いてしまいます。
そして、周りの目を気にするようになります。
子どもたちは、常に指導される立場、すなわち、
指導される側の意思を押さえ込もうとする圧力にさらされています。
学校の先生は、子どもたち一人ひとりを見ようと頑張っておられますが、
基本は、子どもたちをある一定レベルに引き上げようとされるわけです。
勉強やらなくていいよ、好きにしていいよ、というわけにはいきません。
それをみていると、どんなにいい先生がいても、
どんなにいい学校でも、学校という仕組みそのものが、
自立を促す形になっていないと思えます。
ドリームマップ授業では、
自分のことを知り、自分の好きを認識し、自由に夢を描きます。
そして、自分そのものを認めてもらえます。
ほとんどの子どもたちが、6時間のドリマの時間を終えるころには、
コップの水が増えて、目の輝きが変わっています。
年1回のたった6時間授業、されど、かけがえのない6時間授業です。
昨日も、それを感じてきました。
子どもたちの楽しいは、大人の嬉しいでもあるのです。