〈Tip & Episode〉ガキ大将がいなくなった今

【引用】出典:『自分のアタマで考える子のつくり方』高濱正伸

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一見落ち着きがなく動き回っているように見えても、

子どもたちをよく観察すると、好きなことには、

とてつもない集中力を発揮しています。

さっきまで、ワアキャア走り回っていたのに、

気がつくと虫の動きをじーっと観察していたり、

きれいな石拾いに夢中になっていたり、

こうした場面で発揮されている集中力は、

考える頭にしていくための大切な能力です。

 

また、この時代を逃してしまうと、

「好きなことに集中しきる力」は、

つけていくことがむずかしくなります。

私の長年の指導経験からすると、

高校生以降に伸びていくタイプは、

小さい頃に生命エネルギーにあふれて

落ち着きのない子がほとんどでした。

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昨日、一昨日、大人の遠足で花巻に行きました。

初日、一番最初に訪れたたのは、この場所でした。

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こんな形で、トラクターに乗って、北上川べりをぐるっと回りました。

子どもたちならはしゃぎまわる自然が、ここにはありました。

実際、たくさんの子どもたちがやってくるそうです。

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一応普段は鎖につながれている犬が、いったん鎖を解き放たれると、

真っ先に先導して走ります。

いろんなところに好奇心を示しながら。

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一方、こういう寓話があります。

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サーカスで飼いならされてる像は、小さな時から鎖に繋がれています。

小象の時は鎖を外そうともがきますが、その小さな力では無理でした。

来る日も来る日も鎖を外そうと試みますが、

その小さな力では鎖が外れることはありません。

そして、ある日から二度と逃げようとしなくなるのです。

「この足に付いた鎖は外れない、ここからは絶対に逃げられない」

この考えは大人になっても変わることはなく、

その力を持ってすれば簡単に引きちぎれる鎖さえも、

象にとっては一生の足枷になったわけです。

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これは、さまざまな動物実験で証明されています。

 

しかし、この犬のちびちゃんは、解き放たれると、

自分をわきまえながら、とても自由になります。

そうありたいですね。

 

今学童保育で、新一年生と接していると、

子どもの自由さと好奇心を、本当に感じます。

このまま大きくなってほしい、そう思って毎日接しています。

ピカピカの一年生。

こんなにちゃんと、おててつないで歩いていますが、

とってもやんちゃです。

最初の引用に書かれているような行動をとります。

 

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学年単位でしか関係性の体験ができない学校制度、

危ないことはさせない社会の風潮の中で、

ガキ大将がいなくなっています。

だからこそ、学童保育の意味は大きいと思って日々過ごしています。

小学校低学年という本当に大事な時期を本当に大切にしないと、

あとで取り返しのつかないことになってしまいます。

 

サーカスの象の話、それは今人間の社会で起こっているのです。

私も、ドリマ授業をやったり、ボランティアやサードプレイスで

子ども、若者、大人、シニアと接してきて感じることがあります。

囚われてしまっている子どもや大人、そしてシニアが多いのです。

 

社会の様々な問題は、私のような個人では解決できません。

私にできるのは、この子たちが、将来囚われることなく、

のびのびと育っていけるように、

3年生まで寄り添っていくことだけです。

 

その中で」、どう自然と接していけるかが、ポイントだと思っています。