認知症に学ぶこと⑤ 母の場合、再び

私の母は、いま国立医療センターに入院しています。


グループホームにいても同じですが、ケータイを持っているので、

一日に何度も電話がかかってきます。

 

組織診の手術後、約1週間がたった昨日、

尿管に通していたおしっこの管が取れたようです。

 

今朝も朝から電話があり、元気そうでほっとしました。

2回目の電話では、担当医の回診で、

「いつ退院しますか? いつでも退院できます」

と言われたと言います。

 

今日妹が面会に行くので、

その旨伝えることを約束して、電話を切りました。

切ってすぐ、息つく間もないくらいで、また電話がありました。

「退院したら、どこへ行くん?」

 

妹が行って、明日あさっては週末なので、

月曜日に退院することが決まりました。

母にも、きちんと説明をして帰ったはずです。

 

午後電話があり、

「退院はいつ?」

妹が先ほどまでそこにいたのも覚えていません。

今日は金曜日で、月曜日に退院すること、

妹が行って、支払いを済ませ、

タクシーでグループホームに連れて帰ってくれることを

丁寧に伝えました。

 

20分くらいしてまた電話があり、

「私はいつ退院するの?」

そして、そのあとも、…

 

すべてがこの調子で、愕然としますが、これが現実です。

 

つい最近までは、

こちらもイライラして、

うっとうしいなと思いつつ対応してきました。

 

しかし、これはこちらの手前勝手ですね。

母は、毎日を精いっぱい生きています。

だからこそ、わからなくなるのです。

そして、息子を頼って電話してきます。

 

電話することもわからなくなる、

電話のかけ方もわからなくなる、

そのことを思えば、いまはとてもいい状態だともいえます。

 

だから、できるだけ電話には出て、

相手を尊重して対応することが必要だということが、

最近やっとわかってきました。

 

子どもに接するとき、子どもと同じ目線で話しをする、

ということが大切です。

 

母の場合、同じ目線というよりも、

母の立場で考える必要があります。

 

心に余裕を持って対応する。

幸いにも、それができる時間が十分、いまの私にはあるのですから。

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