私の母は、いま国立医療センターに入院しています。
グループホームにいても同じですが、ケータイを持っているので、
一日に何度も電話がかかってきます。
組織診の手術後、約1週間がたった昨日、
尿管に通していたおしっこの管が取れたようです。
今朝も朝から電話があり、元気そうでほっとしました。
2回目の電話では、担当医の回診で、
「いつ退院しますか? いつでも退院できます」
と言われたと言います。
今日妹が面会に行くので、
その旨伝えることを約束して、電話を切りました。
切ってすぐ、息つく間もないくらいで、また電話がありました。
「退院したら、どこへ行くん?」
妹が行って、明日あさっては週末なので、
月曜日に退院することが決まりました。
母にも、きちんと説明をして帰ったはずです。
午後電話があり、
「退院はいつ?」
妹が先ほどまでそこにいたのも覚えていません。
今日は金曜日で、月曜日に退院すること、
妹が行って、支払いを済ませ、
タクシーでグループホームに連れて帰ってくれることを
丁寧に伝えました。
20分くらいしてまた電話があり、
「私はいつ退院するの?」
そして、そのあとも、…
すべてがこの調子で、愕然としますが、これが現実です。
つい最近までは、
こちらもイライラして、
うっとうしいなと思いつつ対応してきました。
しかし、これはこちらの手前勝手ですね。
母は、毎日を精いっぱい生きています。
だからこそ、わからなくなるのです。
そして、息子を頼って電話してきます。
電話することもわからなくなる、
電話のかけ方もわからなくなる、
そのことを思えば、いまはとてもいい状態だともいえます。
だから、できるだけ電話には出て、
相手を尊重して対応することが必要だということが、
最近やっとわかってきました。
子どもに接するとき、子どもと同じ目線で話しをする、
ということが大切です。
母の場合、同じ目線というよりも、
母の立場で考える必要があります。
心に余裕を持って対応する。
幸いにも、それができる時間が十分、いまの私にはあるのですから。