幸せの研究をしているソニア・リュポミアスキーという人が、『幸せがずっと続く12の行動習慣』 で、幸福をこう定義しています。
”私は「幸福」という言葉を「喜びや満足をもたらす経験と充実して生きがいがあり、価値ある人生だと感じることを合わせた状態として用いています。”
では、その状態には、どうしたらなれるのでしょうか?
私には、84歳になる要介護1の母が田舎に一人で住んでいます。
今、様子見とケアマネージャーと話をするために帰省しているところです。
そういう状況でも、昔から小さなお店をやっていて、高齢化・過疎化する土地で、最後まで残っているお店を細々と切り盛りしています。
いろいろと悩み事はあり、いろんな面で不自由はしていますが、基本的に母は、幸せで、膝が悪い以外は健康だと思います。
それはどうしてかというと、突き詰めると「人とのつながり」ということなんだと思います。ほとんどお客がなくなりつつ状況でも、お店に来てくれるお客さんとの会話を楽しんでいます。それがあるからこそ、喜びや満足をもたらす経験と生きがいのある充実した日々を送ることができるのです。周りから支えられています。
それがそう簡単に続けられない諸事情があるのですが、なんとか一日でも長く続けられるようにと祈っています。
最近、こんなTEDのコンテンツに出会いました。
まったく派手さがない、ゆったりとした語り口調ですが、2,000万人弱の視聴がある有名コンテンツです。とても説得力があって、会場の視聴者も真剣そのものです。
Robert Waldingerという人は、75年間という長い間、724人の継続調査をしている研究プロジェクトの4代目リーダーです。今は、彼らの子どもたちに研究が及んでいる壮大な研究プロジェクトです。
その結論はいたってシンプル。
幸せと健康の唯一の秘訣は、「つながり」なのです。
Good relationships keep us happier and healthier. Period!
"Relationship"の3つの重要なポイントは、
- Social connections (Loneliness is toxic)
- Quality of our close relationship
- Good relationships don't just protect our bodies but also our brains.
要は、社会的なつながり、身近なつながりの緊密さが大事で、そういった "Relationships" は、体の健康だけでなく、脳(心の健康)にもよい影響を及ぼすのだそうです。
映像の中に、日本の職場の写真が一枚出てきます。
悲しいことに、彼が選んだ唯一の日本の写真は、緊密な人間関係や、個人の幸せ・健康とはほど遠いものだということが一目でわかる写真です。
- このような職場で働き続けて、定年退職したとき、あなたには、どれだけの一生お付き合いできる「つながり」があるでしょうか?
- 人とのつながりをよくするということは、どうしたらいいのでしょう?
というのが、次に出てくる問いです。
やはりそれは、自ら気づき、自ら行動することでしょう。
そういうつながりができてくると、自分が幸せだと感じることができるようになります。そのときには、相手も幸せだと思っているんですね。