現実をベースに

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今私が住む昭島のマンションは、築10年を超えた大改修工事のため、中庭に改修工事事務所ができています。写真のクレーンはそれとは関係なく、青梅線を挟んだ向こう側で進んでいるビル建築工事現場のものです。その左手に、マンションができたあとにIHIの5階建ての社屋が建てられましたが、最近IHIがその横の土地を買い増しして、同じサイズのビルをつくることになっています。5階建てのビルなので、マンションの15階の3分の1ほどですが、3階の廊下からは、向こうに見える「フォレスト・イン・昭和館」が見えなくなります。

近くに行けるので、別にここから見たいわけではないのですが、見えなくなったとしても、それを悔やんでも仕方がないことです。

 

ここに移ってくる前、東京で最初に住んだのは国立、クリオレミントンヴィレッジというステキなマンションでした。そこは景観を害するということで、半分上をつぶすというような住民訴訟が起こり、マンション側が勝訴した後でした。わたしには、すべての行政手続きを経てできたこんなステキなマンションが、どうしてそういうことになるのか、理解できませんでした。そのおかげで、分譲だけでなく賃貸としても出回ったので、わたしたちも、会社補助の出ている期間、なんとか住めることになったのでした。またそのおかげで、娘も国立1中に通い、今の婚約者と出会うことができたということです。

 

この5日間、インフルエンザA型で3日間ずっと家にいて、今日が4日目です。熱が下がっているので、あと1日ゆっくりして、明日から活動です。

 

そんな朝、見るとはなしにNHKのニュース深読みをつけていました。聞くとはなしに聞いていると、テーマは平昌オリンピックの韓国北朝鮮の合同チームのことでした。それがいいか悪いかを、何人かで議論をしているのです。聞くに堪えなくなって、スイッチを切ったのでした。街頭で意見を聞いたり、スタジオで意見を出し合ったりしていました。ネガティブな意見のほうが勝っていたようです。その先が見えないのに、そんなことをしても意味がないということのようです。よく言われる、弱腰というのでしょうか? 韓国でのムン・ジェイン大統領の支持率も下がっています。

わたしには、とっても違和感があります。そんなことに、お金と労力と時間を使っていいのだろうか!?

そうはいっても、これが世間なんですね。

 

冷静に考えると、おかしくはないでしょうか?

上記の2つのマンションの景観のように、会社のビルが建てばマンションからの景観は変わり、マンションが建てば周りからの景観は変わります。それは、合法的に行われており、実際には建ち始めている、ないしはすでに建っている状態です。

それを無しにしろというのは、暴力的・非暴力的に関わらず破壊行為になります。

これで得するのは誰でしょうか?

たぶんそれは、勝者であり、完全な敗者ができます。

勝者は後味が悪く、敗者は恨みを持つ可能性があります。

そして、別の形での破壊行為が生まれかねません。

 

話をニュース深読みに戻すと、韓国北朝鮮合同チームは、すでに国同士で決めて進めているものです。それを無しにするのは、同じく破壊行為です。

それをいい悪いというのは、単なる個人意見であって、人によって意見が違います。

核問題や北朝鮮の脅威に対する抑止としての効果がないから、意味がないというのも、意見です。あるかないかは、やってみないとわかりません。意味がないからやめて、圧力をかけろ、というのが効果があるのでしょうか? これまでさんざんやってきて、作用反作用の法則、ウィルスが薬に耐性を持つ仕組みそのままが結果として出ているのに、世間の議論は同じ事を言っているだけのように聞こえています。

 

わたしたちになにができるかというと、正直何もできません。

双方の思惑は違うかもしれませんが、今回表面上でも歩み寄りを見せて、オリンピック参加や合同チームをつくったりしているのですから、”素直にそれを認めて応援する”、わたしたちにできるのは、そういうことなのだろうと思っています。


わたし自身も、これを書いてみて思うのは、世間に公表したら、合同チーム賛成派の一人、はい以上終わり!になるのだろうなということです。それはそれで一向にかまいませんが、私が大切にしていきたいのは、勝つ負ける、正しい正しくない、いい悪いではなく、現実に基づいて、それをベースに新しいものを生み出していく対話をしようという気持ちが必要だということです。マンションやビルもでも同じです。

 

過去起こった事実を変えることはできませんが、今にしっかり向き合うことで、その意味付けは変わります。それが変われば、新しい未来がつくられると信じています。