思風会の会員特典の冊子は、時間をかけてじっくり読みました。
このブログにも、少し書いています。
<Tip & Thoughts> 「責めあう」から「許しあう」へ - Sol Cafe 『幸せの栖(すみか)』
思風先生の言われていることには、共感・共鳴していますが、
そもそもは、この本を読んだのがきっかけです。
たぶん、他の本のなかに、
この本に関連することが書かれていたのだろうと思います。
そうこうしているうちに、あるご縁で、
思風先生に直接お目にかかることができ、
思風会の会員にもなりました。
この『人間案の革正』は、平成13年8月30日一刷発行となっています。
それから20年が経過した今、
もうにっちもさっちもいかなくなった感があります。
この本は、その時期に、先の先を見越して書かれていたのです。
今読むとそれがよくわかります。
「脱近代」への変化として、4つの変化が挙げられています。
- 政党政治 → 脱政党政治
- 資本主義 → 脱資本主義
- 民主主義社会 → 脱民主主義社会
- 理性文化・理性文明 → 感性文化・感性文明
左側に書かれているおなじみの主義や社会制度は、
もう成り立たなくなっているんだよ、と言われているのです。
このなかから、ここでは、
脱政党政治について、言われていることを取り上げてみます。
以下、要約です。
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感性論哲学では、脱政党政治は「合議政治」のことをいう。
- 議員の選挙は市町村議員の選挙のみ行う
- 県議会議員は、市町村議員の中から選ぶ
- 国会議員は、県議会議員の中から選ぶ
- 総理大臣または大統領を国民投票で選ぶ
- 総理大臣(大統領)は、国会議員のなかから内閣のメンバーを選ぶ
- 国会では政党を開始し、派閥的な集団を廃止する
- テーマごとに合意に基づく集団をつくる
- 各集団から代表者を出し、その代表が集まって議論する
そこでは、「説得の論理」ではなく、
「発展的解消の論理」であり「納得の論理」に基づいた議論が行われる。
- 「説得の論理」: 人間の本質は理性であると考え、それに基づいて、自分が正しいと思ったことを、自分の理性を使って、相手の理性に向かって話しかけようとするもの。説得すれば、説得されまいとして、対立が起こる。
- 「発展的解消の論理」: 自分と違った意見を参考にしながら、自分の意見を発展的に成長させていくこと。
- 「納得の論理」: 自分が理性で考えて正しいと思ったことを、心(感性)を使って話す。そうすると、相手もこちらの話を聞こうという気持ちになる。
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政治だけでなく、何事にも完璧ということはなく、
これで未来永劫いいということは、歴史を見ても何もありませんね。
最終的には、初心を忘れ、おごれるもの久しからずやとなるわけです。
だから、本質を忘れることなく、
状況に応じた柔軟な変化していくことが、が求められますが、
人間の私利私欲はなくなりませんね。
政党政治は、戦後から平成に至る時代を支えてきました。
しかし、令和初期の状況を見ていると、既得権益や忖度がまかり通り、
国民のための政治になっているとは思なかったのです。
政党政治における国会の議論は空転するばかり、
各政党は自分の意見を主張するだけで、
よりよい解を生み出していこうという姿勢が感じられませんでした。
いかに派手な意見の応酬があろうとも、
結局は力の論理で押し切られて終わりです。
ある時期、国民のための政治とはなにか?
という問いが、真剣に考えられるようになりました。
そのおかげで、いまでは、国民のための政治のしくみがまわっていて、
国民全体も政治に関心を寄せ、政治家を信頼するようになりました。
どんな政治のしくみかというと、例えば、
2000年前後には、「感性論哲学(芳村思風)」によって提言されていた、
「合議政治」のようなものなのです。
感謝します! ありがとう!