あの「さかなクン」が、小学校の卒業文集「将来の夢」に
大好きな魚の絵とともに書いた夢があります。
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将来の夢は、東京水産大学の先生になることです。
そして、お魚について研究したことを、みんなに伝えてあげたいです。
東京水産大学の先生になったら、自分の絵で、
みんなのためになるお魚図鑑をつくりたいです。
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この本に書かれています。
東京水産大学という具体的な名前があるのは、
あこがれの東京水産大学の奥谷先生に手紙を書いて、
返事をもらって感動したことがあるからです。
先週の金曜日5月24日に、都内の中学校でドリマ授業をしました。
私は、この『一魚一会』を読んで、
夢を描き、それを夢をかなえるためには、
さかなクンの例を紹介することが、
とってもわかりやすいと思っていました。
夢をかなえる法則を理解し、行動につなげるために、
参考になると思ったわけです。
そして、ここ数回のメインでは、
「夢をかなえる1・2・3の法則」を説明するときと、
夢を発表するためのスピーチシートに書く
「行動」の例として、使ってきました。
ところが、昨日、この本の将来の夢とその前後を読み直してみて、
「ちょっとまてよ、これまで思い込みが過ぎたのではないか?」
そう感じたのです。
ドリマの「夢をかなえる1・2・3の法則」は、
① 今の自分を知る
② 将来の夢を描く
③ 夢をかなえるために行動する
ということで、この順番が大事だよということを
これまで伝えてきました。
しかし、世の中みんながみんなこの法則にしたがうわけではない、
逆にいうと、けっこう目立つ夢の叶え方をした人の法則は、
「夢をかなえる1・3・2の法則」だったのではないか、
そう感じたのです。
さかなクンは、まさにこれでした。
さかなクンは、その他大勢の子どもたちとは違う
2つのものを持っていたのです。
- 生まれつきの能力
- 偉大なお母さん
1.は、絵を描くこと、そして、直観的に好きなものには大きな感動が湧く、
そして,半端じゃない1点集中ができるという能力です。
逆にいうと、好きでないことは二の次、三の次になるわけですが。
2.は、結構すごいんです。
さかなクンの好きなことは、とことんやらせてあげた、
それを貫いたお母さんでした。
さかなクンが、タコ大好きで、毎日のようにタコをおねだりすると、
いやな顔一つせず、お刺身、煮込み、酢の物など味つけを変えて、
1か月ほどタコ料理を続けたりしています。
勉強もせず、魚の絵を描き続けているさかなクンの
学業成績は推して知るべしです。
親戚・学校の先生から何を言われても、
- この子は魚が好きなんです。
- だから、今のままでいいんです。
- みんな同じように勉強して優秀になっていったら困るでしょ。
といい続けて、さかなクンの好きを支援したのです。
だから、彼は将来のことも考えずに、好きなことに没頭できました。
将来の夢を描かなくても、好きをするという行動は続けたでしょう。
たまたま、小学校の卒業文集のテーマが「将来の夢」だったので、
その夢を描いたのです。
夢を描いたから、行動できたというより、
行動していたから、そこから夢が出てきたのです。
個人的には、夢とは本来そういうものだと思っています。
しかし、多くの小中学校の生とは、
好きなことをさかなクンのようにやることは、
かなり難しい状況です。
学校の勉強、部活、塾、習い事、テストの成績、偏差値、
親の期待値、世間一般の常識、等々。
そんな中で、今のドリマ授業があるわけです。
だから、「夢をかなえる1・2・3の法則」の
自分・夢・行動の順番は必要なことです。
そして、自分の夢を考える時間、そのものが大事なわけです。
夢をかなえる順番は、一般的な参考にはなりにくいかもしれません。
しかし、さかなクンの夢自体は、とても参考になります。
- 自分がなりたいもの = 東京水産大学の先生になる
- 笑顔にしたい人 = お魚について研究したことを、みんなに伝えてあげたい
- そのためにやりたいこと = 自分の絵で、みんなのためになるお魚図鑑をつくる
別に今回のドリマ授業の振り返りをしたわけではないのですが、
自然にこんなことが、見えてきました。
次のドリマは、2週間後に、
同じように中学校でメインをやることになっています。
これをベースに、これまで大切にしてきた、
さかなクンの夢と行動という題材を、
どう使っていくか、使わないか、しっかり考えてみたいと思います。
次に考えることができて、ワクワクです。