「同じ」ということば、よく考えると不思議なことばです。
世の中に、まったく同じものなんて何もないのですから。
似ているということはあるかもしれませんが、
子どもたちを見ていると、似ているということすらない気がします。
瞬間ごとにすべてが変化します。
子どもたちが10人いれば、その10人が、それぞれみんな違います。
そんな10人がやってくる学童保育の一日も、毎日が違っています。
今週も月曜日から今日の金曜日まで、
フルに学童保育で子どもたちと過ごしました。
今週も、一人ひとりをじっくり見る時間を持ちました。
ほぼみんなが同じ時間に着いて、宿題をするので、
それを眺めていると、興味深いことが起こっています。
同じ宿題をやっていても、
十人十色とはこのことかと思えるほど、みんな違っています。
- 人数が多いので、遊び半分というのが大半の子たち。
- 同じクラスなので、そんなはずはないのに、今日は宿題がないと言って遊び始める子がいる。その子も、次の日にはやる。
- さっさとやる子がいる。
- 集中してやる子がいる。
- きちんとやり始めるけど、なかなか進まない子がいる。
- なかなかやり始められないけれど、やり始めると早い子がいる。
- 丁寧にやる子がいる。
- 雑に書いている子がいる。
- 明らかにイヤイヤやっている子がいる。
- やったら片づける子がいる。
- やりっぱなしで、遊び始める子がいる。
- ............
見ているとある意味、とても楽しいです。
勉強を教えるところではないので、聞かれたら見たりもするけど、
着いたらすぐに宿題の時間というのがあるだけで、
やるやらない、どうやるかは、ほぼ自主性に委ねています。
今週もいろいろありました。
- いちばん労力を使ったのが、学童に来たくないという子の対応
- ケンカや鼻血はあったけど、けがはなし
- 忘れ物は日常茶飯事
- ランドセルの中に水筒のお茶がこぼれて、ノートや教科書がぐしょぐしょ
- 自分のノート・教科書だけでなく、人のも入れた子がいて、別の子が、家に帰った後に、なくなったと探しに来て、学童と学校を行ったり来たり。ラッキーにも、間違えた子が遅くまで残っていた
- 同じ子が、人のランドセルを背負って帰って、取り換えに来た。ラッキーにもその子の家は至近距離
- ..........
始終喧騒に包まれています。
そんな中で、些細で見落としがちなことに今日気づきました。
鬼ごっこやかくれんぼなどは、みんなで遊びます。
それ以外は、電車遊び、工作、適当に走り回るなど、
一見、一緒に遊んでいるように見えて、
一人ひとりが好き勝手なことをやっているということが
これまで見てきたかぎりでは、ほとんどでした。
それが、今日、菓子箱の箱などで家をつくっっているのを見ると、
二人で、一つのうちをつくっていたのです。
興味の対象が一致して、それを一緒につくっているわけです。
協力して何かを仕上げるというところまではいっていなくて、
それぞれの興味の範疇ながら、なんだかとても新鮮に感じました。
ほとんどのケースは、
- これは僕の、これはだれだれの、と区別する
- 自分のをこわされたら、人のもこわす
- しかられたら、○○君のせいにする
という感じなのです。
わずかな違いで、見落としがちだけど、
これは明らかに成長だなと感じました。
そういうことに気がつくと、うれしくなりますね。
そして学童保育自体も進化しています。
今週から、正確にいうと火曜日から、
学童保育の生活の中に、あるパターンをつくる試みをやっています。
17時前に帰る子もいますが、
ほとんどの子が、17時半以降に帰ります。
それまでに、わめきながら走り回って遊んでいるので、
落ち着く時間をつくって帰ることも大事です。
なので、17時になると、
- 遊びは一旦やめて、片づけをする
- ランドセルや荷物を持って下りる
- 連絡帳をランドセルに入れる
- そして、みんなで座って振り返りの時間を持つ
今日困ったこと、今日よかった(楽しかった)ことを聞きます。
そして、どうしたらよかったかな?ということも考えたりします。
落ち着いたときに、あったことの振り返りをすることは、大事ですね。
その振り返りの後、4日連続で私の時間を持ちました。
3日は紙芝居、今日は「ちいさいおうち」をめくりながらお話ししました。
みんな注目して聞いています。
ああだこうだと言ってきますが、それもまた、いい時間です。
興味を示しているからです。
その後、興味のある子に個別にお話しすることもあります。
個別のときは、興味ないという感じだった子も、
気になってやってきたりします。
何とか今週はやり切りました。
しかし、毎日何かをして、子どもに飽きさせないのは大変です。
しかし、だからこそ、やりがいがあります。
いろいろ工夫しながら、バリエーションを広げながら、
学びと実践を重ねていこうと思っています。
子どものほうから、声がかかるようになると、
持って広がっていきます。
なんだかちょっといい気分!な一週間でした。