学童保育の新学期の2週間

f:id:solcafe:20190412111435p:plain

学童保育の新学期が始まって、瞬く間に2週間が過ぎた。

その2週間(実働10日)フルに通って、子どもたちと一緒に過ごした。

 

3/23にこのブログに「てらこやの始動」ということを書いた。

実際に新1年生が入ってきてみると、

想定したいたことは、時期尚早であると感じることになった。

一方で、それを超える想定以上のことが起こっている。

 

3年生がいなくなり、2年生がもともといなかったので、

今は、2年生と1年生だけになっている。

2年生は、男3人、女2人。

その女の子2人は、春夏冬休みだけなので、実質男の子3人。

1年生は、男4人、女2人。

学期中は、男7人、女2人となる。

 

実際に始まってみると、10人くらいがちょうどいいなと感じる。

そもそも大人の全体数が少ないので、これ以上増えるとまわらない。

 

昨年の3年生の女の子たちは、決して悪い子ではなく、

いい子たちなんだけど、おちゃらけで、自己主張ばかりして、

いうことをほとんど聞かなかった。

1年生もそれにつられていた。

しかし、今は違う。

2年生が幼く見える(実際幼い)くらい

1年生がしっかりしている。

  • 言わなくても、着いたらすぐに手を洗うし、
  • ランドセル等はロッカーに持って上がる。
  • そして、ありがとうございます、もちゃんと言える。
  • 片付けなどは難しいけど、いえばちゃんとできる。

 

それに、ほとんどの子が、

  • すでにひらがなの読み書きがそれなりにできる。
  • カタカナはおろか、漢字まで少し知っている子もいる。
  • アルファベットを書いていた子もいた。

しかし、頭でっかちではなく、とっても子どもらしくよく遊ぶ。

保育園で一緒だった子も何人かいて、初日から打ち解けた感じだった。

 

毎日が驚きの連続。

放っておけば、勝手によく遊ぶので、とても楽をさせてもらっている。

だからこそ、一人ひとりをしっかり見ることができる。

  • 早生まれでとっても幼く見えた子が、実は活発で身体能力もあり、とってもしっかりしていて驚かされる。
  • 言葉がたどたどしいけど、ありがとうございましたは、ものすごくはっきりと言える子がいる。
  • その子は、何かトラブルがあると、よくその子を見て接することができる。そして、大人に、何が起こっているのかをちゃんと話すことができる。
  • おとなしいけど、とっても芯があり、お母さん役が板につき、みんなを仕切るおませな子もいる。
  • すぐに、あるものを利用して、何かをつくることができる。それも驚くほどよく考えられている。さらに、それで遊びをクリエートでき、そのアドビに必要なものをまたつくるセンスのいい子がいる。
  • ほんとうにその年齢らしく、かわいく微笑ましく見える子がいる。

 

みんなそれぞれ違うけど、とってもバランスがいい。

小さなトラブルは起こしながらも、

子どもたちでいろいろ役割分担もしながらよく遊ぶ。

 

特に男の子が多いので、これまでに私がつくっていたものは、

ほどんど形がないまでにつぶれてしまった。

どうしたらこんなにできるんだろうというくらい、

あっという間につぶしてしまう。

あるものは形がなくなるが、彼らによって、

新たなものが形作られていく。

 

最近まで、3年生や1年生の後半の子と接していたので、

その感覚で、「てらこや」のコンテンツを準備していた。

しかし、年長さんに毛の生えたような新1年生には、

ちょっと早すぎたったと思っている。

ただ、この子たちを見ていると、

たぶん今年の後半には、何かしらそれが生きてきそうな感じもする。

決して無駄にはならない。

 

そこで、どうしたらいいか考え、興味のありそうな本を借りてきて、

「てらこやとしょしつ(寺子屋図書室)」をつくってみたり、

何か面白そうなものを置いてみたりしている。

ほどんどが、まだ大きな関心は引いていないが、

じわじわと動きが出ているのも確か。

 

お面を想定して途中まで作って、

目鼻口を描いておいた段ボールの紙は、

ちょっと手に取ってみるだけだった。

そこで、それに色を塗っていると、

「ぼく、やりたい」と言ってきた子が出てきたので渡した。

私としては、しめしめだった。

その横で、自分で段ボールを切って、

同じようなものを作る子もいた。

クリエイティブなのは実はこの2番手の子。

 

こちらはお面になるかなと思っていたけど、

裏に紙を貼って顔ができ、胴体や手足もつけてロボットのようになった。

さらに、凧にしたいというので、糸をつけて、公園で走った。

さすがに重いので上がらなかったけど、

おもしろいものができて、すごいなと感じた。

子どもの感性で、想定以上のものがつくられていくのが嬉しい。

 

そして今日、長く無関心だった動物塗り絵も日の目を見た。

紙を置いておくだけだった時は、誰も関心を示さなかった。

そこで、昨日2枚ほど私が塗り絵して置いておいた。

すると今日、やりたいと言ってきた子がいる。

同じ子だ。どうも彼がキーパーソン。

そして、もう一人同じ子が横でやり始める。

ただ、言い出しっぺの子は、いい加減に塗っていた。

一通りやって、恐竜がいいというので、

恐竜の塗り絵をプリントすると、しっかり塗り始めた。

そして持って帰った。

恐竜の好きな子だ。

やはり、関心のあるものがいいんだね。

 

そうやって派生していけば、

「てらこや」の意味はあるなと感じた時間だった。

 

だまし絵も、おじさんの顔はすでに子どもたちが知っていた。

もう一つのほうは、雪山のように見えて、

縦にするとネコが浮かび上がるが、

そこには、他に、

「馬もいるし、髭のおじさんもいるし、人の横顔もあるよ」

と言われて、なるほど確かに!という感じになる。

すごい感性だ。

 

昨日は、油性ペン(マッキー)を叩く子がいて、

その芯が押し込まれてなくなったり、

マッキーでホワイトボードに書いたために、

消えなくなったりもした。

それを、どう思う? どうすればいい?

と、みんなで考えた。

とてもいい時間だった。

ホワイトボードはあとで液で消そうと伝えたが、

その場で、どうなるかなあと言って、

ホワイトボード用のマーカーで、それをなぞった子がいる。

それを消すと、見事に消えた。

すごい発想力!

 

子どもって、想定を超えるクリエイティビティがあるね。

 

近くに住んでいる5年生の女の子が、以前から遊びに来ていた。

その子が、3年生の女の子がいなくなり、

本人も6年生になり、学童が1年生だけになった今も時々やってくる。

なぜ来るのかはわからないが、小さい子たちとよく遊んでくれる。

特に女の子が少ないので、とても助かる。

学童保育の制度上はいいのかどうかわからないが、

開かれた学童という意味では、とってもいいし、

今の学童保育はそれを受け入れている。

 

今来ている子どもたちは、「学童楽しい」と言っているし、

ほかの子や大人がきたがる学童になればと思っている。

 

ただ、楽しいことばかりではない。

ちいさないざこざは当然あるけど、

今日はちょっとややこしいことになった。

特別支援学級に行っている子が、

自分がやりたいとなると我慢できないで、

ちゃんと話もできず、実力行使になるから、ケンカになる。

そのケンカが、今日はちょっとエスカレートした。

ギリギリまでケンカさせておいて、

今日はちょっと厳しい処置をしたけど、

すぐに、お互いが謝って、すぐに楽しく遊ぶことができた。

 

  • わがまま言うときにどうするか。
  • 言うことを聞かないときどうするか。
  • ケンカした時にどうするか。
  • けがしたときにどうするか。

日々大人の成長につながることが起こっていく。

それもまた楽しい。

 

この子たち、家庭では愛情をもって育てられたと思えるし、

とても恵まれている子たちだと思う。

 

そんな子どもたちと、1年生の最初から、

一緒にいられることは、この上なくありがたいし、

幸せなことだと感じていて、毎日がより楽しくなっている。

 

ありがとう。