学童保育の新学期が始まって、瞬く間に2週間が過ぎた。
その2週間(実働10日)フルに通って、子どもたちと一緒に過ごした。
3/23にこのブログに「てらこやの始動」ということを書いた。
実際に新1年生が入ってきてみると、
想定したいたことは、時期尚早であると感じることになった。
一方で、それを超える想定以上のことが起こっている。
3年生がいなくなり、2年生がもともといなかったので、
今は、2年生と1年生だけになっている。
2年生は、男3人、女2人。
その女の子2人は、春夏冬休みだけなので、実質男の子3人。
1年生は、男4人、女2人。
学期中は、男7人、女2人となる。
実際に始まってみると、10人くらいがちょうどいいなと感じる。
そもそも大人の全体数が少ないので、これ以上増えるとまわらない。
昨年の3年生の女の子たちは、決して悪い子ではなく、
いい子たちなんだけど、おちゃらけで、自己主張ばかりして、
いうことをほとんど聞かなかった。
1年生もそれにつられていた。
しかし、今は違う。
2年生が幼く見える(実際幼い)くらい
1年生がしっかりしている。
- 言わなくても、着いたらすぐに手を洗うし、
- ランドセル等はロッカーに持って上がる。
- そして、ありがとうございます、もちゃんと言える。
- 片付けなどは難しいけど、いえばちゃんとできる。
それに、ほとんどの子が、
- すでにひらがなの読み書きがそれなりにできる。
- カタカナはおろか、漢字まで少し知っている子もいる。
- アルファベットを書いていた子もいた。
しかし、頭でっかちではなく、とっても子どもらしくよく遊ぶ。
保育園で一緒だった子も何人かいて、初日から打ち解けた感じだった。
毎日が驚きの連続。
放っておけば、勝手によく遊ぶので、とても楽をさせてもらっている。
だからこそ、一人ひとりをしっかり見ることができる。
- 早生まれでとっても幼く見えた子が、実は活発で身体能力もあり、とってもしっかりしていて驚かされる。
- 言葉がたどたどしいけど、ありがとうございましたは、ものすごくはっきりと言える子がいる。
- その子は、何かトラブルがあると、よくその子を見て接することができる。そして、大人に、何が起こっているのかをちゃんと話すことができる。
- おとなしいけど、とっても芯があり、お母さん役が板につき、みんなを仕切るおませな子もいる。
- すぐに、あるものを利用して、何かをつくることができる。それも驚くほどよく考えられている。さらに、それで遊びをクリエートでき、そのアドビに必要なものをまたつくるセンスのいい子がいる。
- ほんとうにその年齢らしく、かわいく微笑ましく見える子がいる。
みんなそれぞれ違うけど、とってもバランスがいい。
小さなトラブルは起こしながらも、
子どもたちでいろいろ役割分担もしながらよく遊ぶ。
特に男の子が多いので、これまでに私がつくっていたものは、
ほどんど形がないまでにつぶれてしまった。
どうしたらこんなにできるんだろうというくらい、
あっという間につぶしてしまう。
あるものは形がなくなるが、彼らによって、
新たなものが形作られていく。
最近まで、3年生や1年生の後半の子と接していたので、
その感覚で、「てらこや」のコンテンツを準備していた。
しかし、年長さんに毛の生えたような新1年生には、
ちょっと早すぎたったと思っている。
ただ、この子たちを見ていると、
たぶん今年の後半には、何かしらそれが生きてきそうな感じもする。
決して無駄にはならない。
そこで、どうしたらいいか考え、興味のありそうな本を借りてきて、
「てらこやとしょしつ(寺子屋図書室)」をつくってみたり、
何か面白そうなものを置いてみたりしている。
ほどんどが、まだ大きな関心は引いていないが、
じわじわと動きが出ているのも確か。
お面を想定して途中まで作って、
目鼻口を描いておいた段ボールの紙は、
ちょっと手に取ってみるだけだった。
そこで、それに色を塗っていると、
「ぼく、やりたい」と言ってきた子が出てきたので渡した。
私としては、しめしめだった。
その横で、自分で段ボールを切って、
同じようなものを作る子もいた。
クリエイティブなのは実はこの2番手の子。
こちらはお面になるかなと思っていたけど、
裏に紙を貼って顔ができ、胴体や手足もつけてロボットのようになった。
さらに、凧にしたいというので、糸をつけて、公園で走った。
さすがに重いので上がらなかったけど、
おもしろいものができて、すごいなと感じた。
子どもの感性で、想定以上のものがつくられていくのが嬉しい。
そして今日、長く無関心だった動物塗り絵も日の目を見た。
紙を置いておくだけだった時は、誰も関心を示さなかった。
そこで、昨日2枚ほど私が塗り絵して置いておいた。
すると今日、やりたいと言ってきた子がいる。
同じ子だ。どうも彼がキーパーソン。
そして、もう一人同じ子が横でやり始める。
ただ、言い出しっぺの子は、いい加減に塗っていた。
一通りやって、恐竜がいいというので、
恐竜の塗り絵をプリントすると、しっかり塗り始めた。
そして持って帰った。
恐竜の好きな子だ。
やはり、関心のあるものがいいんだね。
そうやって派生していけば、
「てらこや」の意味はあるなと感じた時間だった。
だまし絵も、おじさんの顔はすでに子どもたちが知っていた。
もう一つのほうは、雪山のように見えて、
縦にするとネコが浮かび上がるが、
そこには、他に、
「馬もいるし、髭のおじさんもいるし、人の横顔もあるよ」
と言われて、なるほど確かに!という感じになる。
すごい感性だ。
昨日は、油性ペン(マッキー)を叩く子がいて、
その芯が押し込まれてなくなったり、
マッキーでホワイトボードに書いたために、
消えなくなったりもした。
それを、どう思う? どうすればいい?
と、みんなで考えた。
とてもいい時間だった。
ホワイトボードはあとで液で消そうと伝えたが、
その場で、どうなるかなあと言って、
ホワイトボード用のマーカーで、それをなぞった子がいる。
それを消すと、見事に消えた。
すごい発想力!
子どもって、想定を超えるクリエイティビティがあるね。
近くに住んでいる5年生の女の子が、以前から遊びに来ていた。
その子が、3年生の女の子がいなくなり、
本人も6年生になり、学童が1年生だけになった今も時々やってくる。
なぜ来るのかはわからないが、小さい子たちとよく遊んでくれる。
特に女の子が少ないので、とても助かる。
学童保育の制度上はいいのかどうかわからないが、
開かれた学童という意味では、とってもいいし、
今の学童保育はそれを受け入れている。
今来ている子どもたちは、「学童楽しい」と言っているし、
ほかの子や大人がきたがる学童になればと思っている。
ただ、楽しいことばかりではない。
ちいさないざこざは当然あるけど、
今日はちょっとややこしいことになった。
特別支援学級に行っている子が、
自分がやりたいとなると我慢できないで、
ちゃんと話もできず、実力行使になるから、ケンカになる。
そのケンカが、今日はちょっとエスカレートした。
ギリギリまでケンカさせておいて、
今日はちょっと厳しい処置をしたけど、
すぐに、お互いが謝って、すぐに楽しく遊ぶことができた。
- わがまま言うときにどうするか。
- 言うことを聞かないときどうするか。
- ケンカした時にどうするか。
- けがしたときにどうするか。
日々大人の成長につながることが起こっていく。
それもまた楽しい。
この子たち、家庭では愛情をもって育てられたと思えるし、
とても恵まれている子たちだと思う。
そんな子どもたちと、1年生の最初から、
一緒にいられることは、この上なくありがたいし、
幸せなことだと感じていて、毎日がより楽しくなっている。
ありがとう。