子どもが子どもでいられる社会を

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働く幸せ_

導師は人間の究極の幸せは

 人に愛されること

 人にほめられること

 人の役に立つこと

 人から必要とされること

の四つといわれた。

働くことによって、愛以外の三つの幸せは得られるのだ。

私は、その愛までも得られると思う。

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これは、日本理科学工業の会社の前の石碑の

大山会長のことばです。

 

私は、今この言葉を自分自身が体感しているというより、

子どもたちのために、その大切さを感じています。

働くとは、大人として扱われるということ。

一方で、子どもにとっても、これは同じこと。

大事なのは、あたたかい人とのつながりなのです。

 

NPOのPIECES(ピーシーズ)は、

不登校、高校中退、飛行、若年妊娠などの

状況の子ども・若者のサポートを行っています。

彼らは、家庭で寂しい思いをしていたり、

学校で信頼できる先生や友人がいなかったり、

貧困や非行などで地域とのつながりが薄れてしまったり、

家庭や学校で孤立しているのです。

 

「子どもをひとりぼっちにさせない」という思いで、

信頼できる他者が伴走できる仕組みを作っています。

 

私はたまたま、「ボラ市民ウェブ」というサイトの

ボランティア・求人情報を見ていた時に見つけて

説明会に行ったのがきっかけで、

今年の5月くらいから毎週月曜日(11月からは隔週)に

「よんなー よんなー」にボランティア参加しています。

「よんなー よんなー」は、子ども一人ひとりに合わせた

オーダーメイドな居場所型の学習支援です。

 

6か月の研修を修了した学生を中心とする

CYW(コミュニティ・ユース・ワーカー)を中心とする活動です。

私はボランティアなので、ある意味、気楽にそこに通い
  • その場に、ただあること
  • 一人ひとりに寄り添うことを
体感し、学んできました。
 
では、私は、なぜそこに行くのでしょう?
豊島区という遠方で、無職で収入もない中、
交通費もかかるし、帰宅も遅くなるのに。

 

明確な理由はわかりません。

それを見つけたという事実が、

何かの導きだからと思えるからでしょう。

「SOL Cafe_幸せの栖」の想いからの直観でもあります。

実際には、行ってみてから、居心地がいいと感じたからでしょう。

 

一言で、「子ども一人ひとりに合わせた

オーダーメイドな居場所型の学習支援」

といっても、現場ではいろいろな難しさを抱えています。

  • 支援する子どもをどうやって見つけるか
  • その子どもが、毎週月曜に来てくれるのか
  • 来ることでその子のためになるのか

 

来ている子は、まだ幸せです。

ここに来れない子、アプローチできていない子、

その子たちが、さらに問題です。

でも、始めなければ何も始まらないの事実です。

それを始めた、PIECESの意思と勇気はすばらしいと思います。

 

「よんなー よんなー」は昨年11月からなので、まだ1年。

そんな状況なので、利用者人数も少なく、

実際に私が関わってきたのは2人だけです。

それでも、学習支援の時間が終わった後、

かなりの時間を使って、CYWとボランティアで、

一人ひとりにフォーカスした振り返りを行います。

彼、彼女にどう関わっていくのがよいのか?

試行錯誤と関わる人たちの対話で深めていきます。

 

だからこそ今、子ども一人ひとりに合わせた方法での支援を

しっかりやっていく方向に舵を切りつつあります。

 

私個人的にも、この半年のかかわりで、それなりの信頼が得られ、

人の役に立つこと、人に必要とされることが

感じられるようになってきました。

 

かかわっている2人とも、個人的に一緒に食事をしたりして、

そのかかわりを深めています。

 

美味しい食事をすることは、

それだけで幸せ感と安心感がえられるということです。

自分でこれまで何年もグルメでSOL Cafeをやってきたのは、

理にかなっているし、その経験が活きているな、

そう感じることができています。

 

そんなかかわりによって一番感じられるのは、

親や学校、コミュニティの責任は重いということです。

  • たまたま障害を持って生まれたり
  • たまたまある親のものに生まれたり

それだけで、どうしようもないくらい、

その子の人生は左右されます。

どんな環境にあっても、立派に成長していく人もいるので、

まったく本人に責任がないとは言い切れませんが、

本人とっては、とても酷な話です。

 

会社でひどい上司に当たって苦しむことはあります。

ただ、それはつらいけれども、考え方次第で、

そこから逃れる方法はいくつもあります。

 

しかし、親から逃れることは普通はできません。

肉体的虐待はもってのほかですが、

精神的虐待によって、本人は、

友だちや学校や社会から分断されてしまいます。

だから、PIECESの「子どもを孤立させない」という

想いにはとても大きな意味があるのです。

 

ではなぜ、子どもたちに伴走するのか?

 

それは、子どもたちが幸せを感じられるためにです。

  • 人に愛されること
  • 人にほめられること
  • 人の役に立つこと
  • 人から必要とされること

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