従業員を大切にする会社_戸田商行(上)

有限会社 戸田商行は、土佐市にある

「木毛(もくめん)」の専業メーカー。


1961年に創業し、アカマツやスギ、クスノキ、ヒノキなど、

県産材のみを使った木毛を製造。

昭和40年代には全国で120社が製造してきたが、

石油由来の緩衝材の台頭などで多くが廃業し、

現在専業メーカーとしては、この会社1社のみ。

 

この会社の特徴は、
  • 日本最後の木毛製造機が生命線
  • 40年以上続く障害者雇用
  • 衰退する産業で、嫁社長

 

そんな戸田商行の経営方針が、

Today’s Tip 1679に書いたこれ。

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人はみんなしあわせになるために生まれてきました。

しあわせにとって大切なことは

 人に愛されること

 人にほめられること

 人の役に立つこと

 人から必要とされること

人に愛されること以外のしあわせは仕事によって得られます。

 

戸田商行で働く人たちが

自己の実現や夢に向かってイキイキと働くこと。

丁寧なコミュニケーションをとりながら共に育ち、

学び、物心両面の豊かさの実現を追求し、

笑顔があふれる会社を目指したいと考えています。

お互いの多様性を認め合い、尊重し、

常に感謝の心を忘れず、思いやりの心を持つ。

戸田商行に関わる全ての人が

しあわせを感じる会社にしたいと思います。

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これは、どこかで見たような?

「しあわせにとって大切なこと」は、

日本理科学工業の大山会長の言葉そのまま。

戸田実知子社長が、

稀有なご縁から大山会長のことを知り、

そのあり方に感銘を受けて、

この言葉がこの会社にもここに生かされたということ。

 

現在、従業員9人の中で、障害者3人が働いている。

 

戸田実知子社長は、戸田家のお嫁さん。

お父さんが個人で起業し事業をしていて、

小さい頃に、あちこちに連れまわされたこともあって、

普通のサラリーマン家庭より、

個人商売のおうちに興味があったそうである。

 

そして、だんなさんが市会議員に当選したことをきっかけに、

この会社を引き継ぐことになった。

しばらくは、相当精神的にも苦しい思いがあったそうだが、

いま会社は持ち直し、業績も上がっている。

 

価値がない、売れない、という状況から、

まだまだ価値があると思えるようになり、

それが自信となって、信用も生まれ、

製品の2割の値上げも実現している。

 

 

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