生きがいとは⑧

今日書くのは、働く、労働についてです。

『生きがいとは③』の続きになります。

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図書館で借りて読んで、

自分で買った(中古本)この本に

こう書かれています。

 

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労働とは何か。


労働が最低限度の経済価値を持つためには、

どういう原則にのっとってなされなければならないのか。

そう考えると「人に喜んでもらえるような仕事の仕方をする」

ということが労働が経済価値を持つ原理であり、

原点であるということになります。

つまり、労働が最初の目的としているものは金銭ではなく、

人に喜んでもらえるような仕事の仕方をするということなのです。

その結果として入ってくるものが金銭なのだ

という順序で考えなければなりません。

 

(中略)

 

労働の原点に立ち返って、哲学的に考えると

「自分は自分を本物の人間に鍛え上げるために働くんだ」

「ほんものの人間になったレベルに応じてお金は入ってくるんだ」

という新しい価値観が出てきます。

そうなってはじめて、

経済は「人間のための経済」という実態を持ち始めるのです。

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この「人間のための経済」というのが、

いつのころからか、

「お金儲けのための経済」

「企業のための経済」

に変わってきました。

 

今も多くの人が「人間のための経済」ではないものに

苦しめられ、疲弊しています。

 

本来の「人間のための経済」になっていくには、

どうしたらいいのか、それをずっと考えています。

 

『生きがいとは①-②』で引用した

『今こそ日本人の出番だ』の中で、村上和雄先生は、

日本人の労働観について書かれています。

要約と私のコメントも入れて書いてみました。

 

日本ではひと昔まで、働くということは、

世のため人のためになることでした。

しかし戦後、欧米の思想に影響されて、

日本の労働観も変わってしまったのです。

 

・ アダムとイブは禁断の木の実を食べたことで、

  人間は知恵を手に入れた代わりに、楽園を追い出され、

  貧しい土地を耕して生活していかなくてはならなくなった。

・ レイバー(労働)は、

  ラテン語の「ラボール(重い荷物を背負いながら歩く)」、

  フランス語の「トラバーユ(働く)」は、

  「トリバーリアーレ(拷問)」が語源。

・ 日本の神話では、神様が田んぼをつくったり、機織りをしている。

・ 今も天皇陛下は、田植えや稲刈りをし、皇后陛下は養蚕をなさっている。

・ 日本の「はたらく」は「はた(傍)」を「らく(楽)」にすること。

  働くことは、自分のためだけではなく、まわりの人たちの役に立つこと。

・ 日本人にとって、労働は単に報酬を得るための手段ではなく、

  尊い行為であって、それぞれが自分の仕事に誇りと喜びをもっていた。

 

すなわち、欧米では、労働は罰であり、

日本では、労働こそが生きがいだったわけです。