生きがいとは⑤

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ここに書くことも、私にとっては、

単に、よかった!

にとどまらないものが、ありました。

”生きてきたかいがあった”

という意味でも、

「生きがい」を感じたことでもあるのです。

 

「育ててくれてありがとう‼」

 

これは昨日の娘の結婚披露宴の最後のデザートバイキングで

両親のために特別に用意された

プレートに書かれていた新婦からのメッセージです。

 

その席には、私の母も参列していました。

それをするために、正直、

金銭的にも、精神的にも、肉体的にも

大変でした。

 

東京・岩国を、5日間で2往復する必要があります。

グループホームで暮らす母です。

そこで車いすを貸していただけました。

 

空港では車いすを乗り換えたり、

タクシーに乗せたり、

式場で車いすを押したり、.....

 

ホテルもツインに一緒に泊まります。

これが大変でした。

よく考えると,母と同じ部屋で寝たのは子どものころ、

今回は、何十年ぶりでしょうか?

立場は大きく逆転しています。

 

母に関して、愕然とすることがいくつもあります。

ひとつは、

  • 本当に短期記憶がないのです。

昨日の結婚式・披露宴は楽しんでいました。

しかし、今朝ホテルの部屋では、

  • 昨日、親戚が集まっていた、
  • 知らない人もたくさんいて、
  • 楽しかった
とは、言っていました。

しかし、すでに何もわからない状態でした。

  • ここはどこなのか
  • 何しに来たのか
  • 昨日何があったのか

こちらから話せば思い出します。

しかし一瞬です。

 

もう一つ愕然とすることは、

  • 一人では用を足せなくなっています。

細かい描写はできませんが、

  • 日中は、歩くのに難儀しながらも、なんとか一人で用を果たせます。
  • しかし、夜は、間に合わなくなるようです。
  • そして、大のほうは、自分では拭き切れなくなっています。
  • 衣服や便器や床が汚れます。

本人は、できていると思っているようなのですが。

 

今回、2泊3日一緒に過ごして、

東京に連れてきたのは、無謀だったのかとも思いました。

実際、反対の意見もありました。

 

しかし、孫の結婚式に、まだ元気な母を連れてこないのは

私の選択肢の中にはありえませんでした。

 

正直、ここまでだとは思っていませんでした。
グループホームで、詳しい状態は聞かずに来たからでもあります。

 

自分で丸ごと体験してみて、

介護・看護の大変さがわかります。

交通機関や式場など、

まだまだだなということもありますが、

そのたいへんさがわかります。

 

一方で、そういう人たちが、

隔離されたり閉じこもったりしないで。

外に出られるようになってきたんだなとも感じます。

ありがたかったです。

社会の支援がなければ、無理でした。

 

先ほど、母をグループホームに送り届けて、

ホテルに入って静かにしていると、

これでよかったんだと思えてきました。

 

いろんな面で大変だったけど、母にとっては、

  • 生まれて初めての飛行機
  • 生まれて初めての東京
  • そして孫の結婚式を体験できて、

ほんとうに、よかったと思っています。

ほんとうに、ラストチャンスでした。

とっても大きなプレゼントができたと思っています。

 

「育ててくれてありがとう」

それは、私から母に贈る言葉でもあります。

 

そして、

「今回参列してくれてありがとう」

「私に生きがいを感じさせてくれて、ありがとう!」

 

とはいえ、

あまりにも、能天気というか、

毎回毎回、毎分毎分、

同じことの繰り返しの質問ばかり受け続けると、

正直、道中、ずっとイライラしていたのは

紛れもない事実です。