『今こそ日本人の出番だ』の中で、
村上和雄先生は、さらにこう言われています。
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高齢者の方々の利点は、自由な時間と長年の経験をもっていることです。
現役で何十年も働いてきたのですから、
知識もあるしノウハウもあるし、人脈もある。
定年退職後の人たちに、どのように協力してもらうか、
それは国や地方自治体が考えなくてはいけない。
少子高齢化の最大のポイントは、老人パワーを生かすことだと思います。
人生の知恵をもっている世代が、
自分の趣味や孫のお守だけに時間を使っているのは、
国にとっても、もったいない。
だいたい生き甲斐というのは、
世のため人のために何かをすることで得られるものだと思います。
私は講演会などで人が喜んでくれるとうれしいし、
それが生きる張り合いにもなっています。
自分が役立つということが、自分の生甲斐になっています。
今、日本は「生涯立志の時代」です。
いくつになっても志を持つ高齢者は、
「あとは余生を楽しもう」ではなく、
「日本のために何ができるのか」
ということに思いをめぐらすことが大事だと思います。
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この写真は、昨日奥多摩の白丸ダムの上から見た虹です。
虹は、見上げるものと思い込んでいると、
これは、思いもつかなかった不思議な光景です。
いつもより大量の水が怒涛のように放出されていました。
そこに太陽が差し込むと、眼下に虹が現れるのです。
私たちは、気づかないまま、思い込みにとらわれがちです。
そして、世の中の常識というか慣習にもとらわれがちです。
また、鳩ノ巣渓谷でこのような短歌を詠みました。
瀬のくぼみ 下って上る 木の葉あり
一歩踏み出せず くるくる回る
岩が突き出たくぼみでは、流れが逆流します。
そこに小さな木の葉があり、突き出た岩のほうに近づくと、
回転する流れに乗って川上に上ります。
その横に木の葉が付きました。あとの木の葉は、
突き出た岩で逆流する流れからほんの少し外にあり、
そのまま流れていきました。
元の木の葉は、また逆戻りです。
一枚目の木の葉と二枚目の木の葉の違いは、
ほんのわずかです。
一歩の違いのようなものです。
同じところをぐるぐる回るのか、
新たな旅に出るのかは、
ほんのちょっとの違いなんですね。
人生まだまだ長いとすれば、
本当の意味での「はたらく」、その生きがいを求めて、
一歩二歩と踏み出していくことが必要だと思っています。