40%が全部を変える①

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『幸せがずっと続く12の行動習慣』(ソニア・リュポミアスキー)には、こんな円グラフがあります。

  • 人それぞれの幸福度の違いのうち、50%が、遺伝で決定づけられた設定値に起因する。
  • 「裕福か、貧乏か」「健康か、病気がちか」「器量がいいか、人並みか」「既婚者か、離婚経験者か」などの生活環境は状況による違いは、幸福度のわずか10%しか占めない。
  • 幸福になるための最大の鍵は、「遺伝子の性質を変えること」(不可能ですが)にあるのではなく、「環境を変えること」(つまり、富や魅力、もっといい同僚を求めること)にあるのでもなく、「私たちの日々の意図的な行動」にあるのです。

著者は、この本に書いていることは科学的裏付けがあると言っています。そして、12の行動習慣をつけることで、この40%は変わるというのが、この本が伝えてくれていることです。詳細はさておき、この部分を読んで思ったことを書き記しておきたいと思いました。

 

この40%は多いのか少ないのか?ですが、なんとなく少ないなという気もします。

 

「幸せ」というものは、同じ出来事をどう捉えるかという心のあり方なので、環境要因が小さいのはわかります。

では、もう一つの「遺伝によって決まっているもの」とは何でしょうか?

これがいまひとつわからないのです。

性格なのでしょうか?

幸せな性格、不幸せな性格というのがあるとも思えません。

ある出来事が起こったとき、どのような感情を持つか、その感情を思考で複雑化してしまうのか、すぐに手放せるのか、そんなことでしょうか?

もしそうだとすれば、この50%も変えることができる、いや変わっていくと私には思えます。

 

40%の部分は、「行動によって変えられる部分」ということですが、Doingというより、それによって熟成されるBeingなのでしょう。

ある出来事が起こったとき、それをどう受け止め、どう感じ、どう行動するのかは、訓練によって変えていくことができます。それが身についていくと、あり方が変化します。

 

この本の前書きで、著者は「幸せ」をこう定義しています。

”自分の「ネガティブな部分」をしっかりと見つめて、「それがどこから来るのか」という理由を知っている人”

 

もって生まれた性格を、あるがままに受け入れて、それを大切にするということですね。すなわち、自分を好きになることです。

純粋無垢だった赤ちゃんが成長するにつれ、いろんな不純で不必要なものが、身にまとわりついてきます。自分が持って生まれたものが覆い隠され、自分の本来持っているものを、自分でも気づかずに生きていることも多くありそうです。

40%の部分が変われば、そんな不純物がついていることへの気づきが生まれ、この50%の部分も変わってくるのではないでしょうか。

 

  1. 心 が変われば 態度が変わる。
  2. 態度 が変われば 行動 が変わる。
  3. 行動 が変われば 習慣 が変わる。
  4. 習慣 が変われば 人格 が変わる。
  5. 人格 が変われば 運命 が変わる。
  6. 運命 が変われば 人生 が変わる。

ヒンズー教の教えと言われるこんな言葉もあるくらいですから、心(意識)・態度・行動の変化でよい習慣がつくられれば、性格は変わらなくても人格が変わるわけですね。

これは、40%を変えることができれば、本来ある50%が輝くということですから、これは、決して小さくはないですね。

 

さらに言うと、40%が変わり、自分が好きになり自信が持てるようになると、人との関係性が変わり、自分の周囲が変わります。ということは、残った10%も変わるということです。

 

しかも、この合わせた100%が「幸せの遺伝子」として子孫に受け継がれ、自分の子どもの50%として機能するわけですから、40%は責任重大です。