Off the grid ②

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あるきっかけで、『あしたも、こはるびより』という本を読みました。図書館のネット予約をすると、10人待ちくらいになっていて、先日やっと届いたのです。

とてもステキな本(2011年出版)ですが、なぜ今ごろ、行列ができているのか理解できませんでした。

映画があるのがわかって、昨日、東中野まで観に行きました。そこで、その意味がわかりました。想定をはるかに超えて、ステキで感動的な映画だったのです。

 

本に書かれていたお二人の言葉を引用します。

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春夏秋冬、料理とお菓子をつくりました。

なるべく旬のもの、その時期に1度か2度しか食べられないような「ほんもの」の食材を使うようにしました。なんでも「もう少し食べたい」と思うくらいが、ちょうどよいと思います。来年を楽しみにできますから。

わが家は何でも自分流なので、味つけも、その時々、舌で味わっておいしいものをつくることが、一番大切だと思っていますから、調味料などの分量はそのたびごとに違ってしまいます。でも、家庭料理はそれでいいと思うのです。

みなさんも自分なりの舌の感覚を大切にして、つくってみてくださいね。

(津端英子)
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「夫婦円満の秘訣は何ですか?」という質問に、英子さんはこう答えています。

  • いいものを食べさせること
  • 悪いところは言わないで、良い話だけにする

英子さんは、心からそう思っているのです

 

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たくさんの言葉の説明も必要ありません。「見て、感じて、おどろく心こそ大切よ」とレイチェル・カーソンさんは言っています。『センス・オブ・ワンダー』の世界が、ここにありました。

今の世の中の大人たちは忙しくて、その暮らしに疲れています。その中で見る、一見「新しい世界」は、まやかしなのかもしれません。「”言葉が多すぎる”というより、”言葉らしきものが多すぎる”というより、”言葉と言えるものがない”」といった、女性詩人の言葉を思い出しました。

『センス・オフ・ワンダー』の世界から、私たちは出発しなおさなければならないのかもしれません。見て、感じて、おどろくことだけにとどめ、説明しないように心がけること。

考えるより、見ること。本質的なことは、見ることを学ぶことなのかもしれません。見ているときに考えたりすると、見る力が弱くなって、何も見ていないことになりそうですから。

(津端修一)
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この本を読んで、TEDで出会ったOff the gridという言葉を思い出しました。お二人の生活は、まさにLive off the gridなんです。

 

映画を観ると、「人間らしさ」とは何かがわかるような気がします。それは、「自分らしさ」なのではないかということ。お二人とも、「自分らしさ」を満喫した人生を生きておられると感じました。

 

精神科医の水島広子さんは、著書『自己肯定感、持っていますか?』に、このように書かれています。

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こころの病を抱える人たちは、その多くが実際に「対人関係の問題」を抱えていません。むしろ「対人関係の問題」を起こさないように、自分を抑え、周囲に気を遣い、頑張ってきた人たちなのです。

患者さんの中には、表面的に友達が多く、「人気者」と呼べる人も少なくありません。しかし、そこから何を受け取っているか、ということを見てみると、「誰も自分をわかってくれない」という空虚感であったり、「努力を続けないと人が離れて行ってしまう」という絶望的な不安だったりするのです。
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人生フルーツのお二人の生き方は、おたがいに向き合わないこと。向き合えば、些細なことで人はいさかいを起こす。ふたりはひとつの夢を一緒に見ることが大事だと考えてきたのです。

 

またここで、英子さんの言葉が印象的です。

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主人にはきちっとした物を着せて、きちっとした物を食べさせる。そうして旦那がよくなれば、めぐりめぐって自分もよくなる。
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英子さんの人生は、修一さんのためにあったともいえるのですが、映画の中の英子さんには、自分というものがしっかりとありました。

生き生きと自分の好きなことをやっていました。

そして、今、その時その時の今を楽しんでいました。

 

どうしたら、それはできるのでしょうか?

 

それは気づくことから始まるのではないかと、私は思います。

『育自のための小さな魔法』には、Part1/2/3があります。

Part1では、最初に「私は○○です」というワークで、今の自分に焦点を当て、続いて過去を振り返り、「自分の人生」を語ります。

Part2では、「自分の好き」を語ります。そうするといろんな気付きや発見があります。

好きを倍やるという楽しい体験の後、Part3で「自分の未来」を語ります。

 

今が変わると、過去の意味が変わり、未来がつくられていく。

修一さんや英子さんのような、”長く生きるほど、人生はより美しくなる” 生き方ができれば幸せですね。

 

とかく生きづらい世の中で、『育自のための小さな魔法』のようなステキで安心安全な場に、一人でも多くの人が参加して、「自分の人生を楽しんで生きる」人が、たくさん増えていくことを願っています。