あと少し『老いるほど血管が強くなる健康法』(南和友著)から引用する。
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血管を若返らせる物質NO(一 酸化窒素)
- 上の血圧(収縮気圧)と下の血圧(拡張気圧)の差が脈圧。
- 脈圧が大きいほど拍動流になるため、血管にはよい。
脈圧が上がるとなぜよいのか?
- 拍動流では、血管が波打って運ばれていく。その動きによって血管内膜にある内皮細胞が刺激されて、NOが増加する。
- 血管内皮には、エンドセリンという物質が知られていて、それは血管を収縮する作用をしている。
- NOはエンドセリンに拮抗して、血管内のLDLコレステロールの沈着や酸化を防ぎ、動脈硬化を防ぐ作用がある。さらに血管の内膜(筋肉層)を拡張させるので、血管が広がって血液の循環がよくなる。
- 運動するとアドレナリンが分泌される分、末梢神経が収縮して、乳酸が増加し 、筋肉が酸化する。これもNOが防ぐ。筋肉を柔軟に保つだけではなく、酸化も防ぐため、美容効果も期待できる。
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コレステロールは人間の身体の筋肉や細胞にとって欠かせない存在。不足すると血管は脆弱になり疲れやすくなる。LDLはいつも悪者にされているが、細胞や血管壁をつくる大切な仕事がある。コレステロールは少なければ少ないほどよいわけではない。LDLコレステロールを増やす食事を考えるべき。
HDLの高い食材、「おさかなすきやね」
(お)お茶: 渋み成分のカテキンは、コレステロール値、中性脂肪、血糖値を下げるほか、抗酸化作用がある。
(さ)魚: DHA、EPAなどの不飽和脂肪酸が血流を良くする
(か)海藻: 水溶性食物繊維が中性脂肪を吸着して排出。代謝を促進するミネラルも豊富。
(な)納豆: 納豆特有の酵素であるナットウキナーゼには血栓を溶かす作用がある。脂質代謝を促進するビタミンB2も豊富。
(す)酢: クエン酸が赤血球の変形能を高め、血流を良くする。
(き)きのこ: きのこ特有の成分β-グルカテンが、コレステロール値や血糖値を下げる。
(や)野菜: ビタミンやミネラル、食物繊維が豊富。1日350g以上の接種を目標に。
(ね)ネギ: 特有の匂いのもとであるアリシンに、血小板凝集抑制、血栓予防、活性酸素抑制作用がある。
ねぎには、ほかの野菜に含まれていないアリシンという成分があり、血液をサラサラにする。
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あとは引用文が長くなるので、要約すると、こういうことも書かれている。
- 炭水化物(糖)、塩分を少なめに、HDLコレステロール値を上げる食材を選ぶのが、血管力を高める食事の基本。
- これに外せないのが、たんぱく質を十分にとる食事。
- 血管はアミノ酸、たんぱく質とコレステロールなどの脂質によってつくられる。
- アミノ酸は普通の食事をしていれば十分摂れるので、動物性たんぱく質を意識する。
- たんぱく質はとくに血管中膜の結合を強くする。動脈壁そのものを強くするので、脳出血などを防ぐ。